無知なる神カオルルウプテ(大神) 【神格と教義】 カオルルウプテは記録と終焉を司り、救済を与えるとされている女神でした。 一方で、その救済が求められるにいたるきっかけの不幸や絶望には何もしない怠惰な女神だと呼ばれることもあります。 剣が見出される以前から不思議な力を備えた『運命の三姉妹』と呼ばれる巫女姉妹の末妹でしたが、竜種に攫われその力は失われてしまいました。 しかし戦神となる前の若かりしダルクレムによって窮地を救われ、それ以降は彼に恩を返すべく補佐にあたっていたと伝わります。 後にダルクレムが第二の剣イグニスの導きを受け、神へと至った際にも側に付き従っていたといいますが、 カオルルウプテ本人はイグニスを拒絶し、その場で神へと至ることはなかったと神官たちは伝えています。 一説によれば、ダルクレムの求めた『力ある姿』が自身を穢した竜種のそれに近しいものだったからではないかと推測されていますが、詳しい理由は失われています。 その後、一時はダルクレムのもとを離れたものの、キルヒアと共にカルディアの導きによって神格を得た後に第二の剣陣営へ加わったとされます。 姉2人とはその際に袂を分かってしまっており、その影響によって魂の輪廻が完璧でなくなり、死の運命が覆せるものになってしまったと伝わります。 また、第二の剣陣営ではメティシエと共にその事を更に深く研究し、擬似的な魂を創造したり、精神を転写することなど、現在の操霊魔法の礎を築きました。 特に魔法生物の作製に長け、ゴーレムのような擬似生命体にはじまり、知能を持つ存在の創造、最終的には完全なる人造生命体(神の手によるものではありますが)を生み出そうとしていたとされます。 ですが、物質的な永遠の生命を求めるメティシエや、兵力としての不死者を求める第二の剣陣営の要求とは研究内容が噛み合わず、次第に立場が悪くなっていきます。 そんな中でも献身的に後方任務にあたっていましたが、ある夜ダルクレムのもとへと呼びつけられ、研究ではない別の役割を任命されてしまいます。 その言い草はかつての竜種となんら違ったものではなく、後に研究成果を持ってカオルルウプテは第二の剣陣営からも離れることとなりました。 しかし、大喧嘩の後に縁を絶った姉のいる第一の剣陣営に戻ることはできず、身を隠しつつも友人である第一・第三陣営の幾名かと密かに連絡を取り合い、 現在へと通じる魔法体系の基礎を編み上げていったと伝わっています。 その研究の中で、この世界の姿に気づいたと主張しはじめ、現実ではなく思索の中にこそ真実があるのだと訴え続けるようになります。 しかし彼女の語る内容はあまりに飛躍的でキルヒアにすら簡単には理解・納得のできるものでなく、彼女の信者達ですら正しい認識をできた者は一握りにすぎません。 その事に絶望しつつも、彼女は粛々と自らの認識に従って準備を進め、姉2人に一通ずつの手紙のみを遺すと神紀文明の終焉を待たずに眠りについたとされています。 しかしながら、他の神と違い力を失って眠ったわけではなく自らの意思で眠りについたため、その力は全盛期のまま衰えていない可能性も指摘されています。 その教義は、決して怠惰や逃避の為に眠りを勧めるものではなく、常に現実を疑い思索を止めないことを説くものです。 また、その思索のみを尊ぶような事も同時に戒めており、しっかりと記録を残し、後に繋げることこそが肝心であると語ります。 同時に睡眠の大切さも説きますが、これはより深い思索の為には夢という形で思考を整理することが重要であると考えられていた為です。 【格言】 「世界が悪意の牢獄であるのならば、我々は虜囚である」 「現世に楽土などはなく、眠りだけが安息をもたらす」 「力と情熱のみでは何も生み出せず、努力と勤勉のみを目的としてはならない」 【特種神聖魔法】  2:☆【ライトオン】   消費MP:6 対象:術者 射程/形状:術者/− 時間:一瞬 抵抗:なし   概要:詠唱を筆記することで、一部魔法の行使判定を「1d」で行う。発声不要化      この魔法は例外的に、行使判定の直前に行使できます。   また、この魔法を行使する際は、紙や地面などに文字を書ける状態でなくてはなりません。   筆記具と何らかの紙(魔導書や魔神の契約書も可)を手に持っているか、〈スタッフ〉などで足元に線を引ける状態である必要があります。   真語・操霊・深智・召異・秘奥魔法の行使判定でサイコロを振るとき、「2d」ではなく「1d」を出目とします。   この効果を用いた判定では、自動失敗、自動成功は発生しません。   この魔法と、この魔法の効果を受けての魔法行使では一切の発声が不要です。これによる行使の扱いは、ナイトメアの種族特徴[異貌]に準じます。  4:【デモーション・リクエスト】   消費MP:5 対象:半径3m/5 射程/形状:術者/− 時間:一瞬/3分(18ラウンド) 抵抗:なし   概要:行使判定、回避力判定を「1d+2」で行う      自分と周囲の仲間の焦りや不安を抑え込み、致命的な失敗を回避します。   対象は効果時間中、行使判定と回避力判定において2dの出目のうち1dぶんを「2」に固定します。   すなわち、これらの判定では1dのみを振り、それに+2した値を出目として扱います。   対象が【プレコグ】など、他のサイコロの出目を固定する効果を受けた場合、効果時間中であっても、この効果は即座に失われます。  7:☆【アンツイスター・タング】   消費MP:10 対象:術者 射程/形状:術者/− 時間:10秒(1ラウンド) 抵抗:なし   概要:補助動作で魔法の行使を行う。判定不可で達成値0、魔力0扱い。   必要最小限まで魔法の構成要素を削ぎ落とし、一工程での魔法行使を可能とします。   術者は効果時間中、神聖魔法を除くあらゆる魔法を補助動作で行えるようになります。   補助動作で魔法を行使する場合、判定のサイコロは振らず、自動的に行使には成功しますが達成値は「0」として扱われます。   抵抗の意思のある対象に行使した場合、抵抗力判定を求める必要はなく、自動的に抵抗されたものとして扱います。   更に、この魔法の影響下で行使された魔法は、宣言型の戦闘特技の効果を適用することができず、【魔力】が「0」であるものとして効果を求めます。   この魔法は1ラウンドに1回しか行使できず、また補助動作で魔法の行使を1回行うと、この効果は失われます。 10:【スリープウォーカー】   消費MP:8 対象:術者 射程/形状:術者/− 時間:6時間 抵抗:なし   概要:眠りながら行動する   術者は睡眠中であるにも関わらず、自在に行動することが可能です。   ただし、すべての行動判定に−1のペナルティ修正を受けねばなりません。   効果時間中はあらゆる睡眠を与える効果は術者には無効です。   また、3時間の経過毎に睡眠が終わったものとしてHPMPの回復が発生します。    13:☆【ドリーム・ウィーバー】   消費MP:10 対象:術者 射程/形状:術者/− 時間:10秒(1ラウンド) 抵抗:なし   概要:失われた魔法を一時的に習得する   可能性世界の夢を編み上げ、歴史の闇に失われた魔法を一時的に再構築します。   現存していない神の特殊神聖魔法や、現代では遺失したとされる各種魔法のうち、いずれかひとつが行使できるようになります。   行使した時の魔力は、それぞれの魔法に応じたものを用いますが、特殊神聖魔法以外を選択した場合、魔力が+4されたものとして行使を行えます。   また、この魔法による遺失魔法の行使は、対応する技能をその魔法を行使可能なレベルで習得していなければ行えません。