【在り得ざる啓発書】  かつてデュランディルの時代に存在した魔導師が、その生涯を終えた後もなお記し続けた編纂資料。中には遺失した技術や魔法が記されている。  数百頁に及ぶ内容は多岐に亘り、当時の生態系や植生、地図、伝承、或いは民族的なものまでも含まれるが、いずれも現在では未発見のものばかりである。  その為信憑性としては非常に低いと言わざるを得ない。真実を知るのは、己の目で直接見たものだけであろう。 ◆秘伝の章  今はもう存在しない技術。そのどれもが、今に伝わるものと異なる法則の元にあったとされる。  既に伝承者が失われて久しく、現代においてそのものを修得することは不可能である。我流による再現が精々であろう。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【アップルゲイト流豪剣術】  神紀文明時代の終わり、アストレイド戦役においてその名を轟かせた剣士の名を冠した剣術流派です。とは言え、その名が直系として伝わっているものなのか、あや かって付けられたものなのかは定かではありません。  この流派は魔法文明末期に滅びたある王国に伝わっていたもので、騎士団とともに戦士団を擁していたその国においては、主流となる剣術として広まっていました。  ですが、当代によくある話として国は戦争に巻き込まれ一夜にして滅び、その使い手もまた誰一人として居なくなったとされています。  今ではアップルゲイトの名前を知る者は神々を於いても少なく、その名を関する剣術流派はいずれも滅びて久しい為、筆者が知るものも多くはありません。 ▽秘伝▽ リボルバースイープ 《六芒旋舞》基礎特技:《薙ぎ払い》 前提:なし 装備制限:「用法:2H」かつ<ソード>であり、装備中の<鎧>の必要筋力が筋力の半分以下  全身のバネを駆使した跳躍回転斬りを行い、乱戦エリア内の任意の3体までに同時に攻撃できます。命中力判定は1回のみ行い、命中の成否を決定します。  ダメージは個別に算出しますが、すべてのダメージは−3点されます。  この秘伝を宣言した近接攻撃では、「攻撃障害」による攻撃不可や、回避力判定へのボーナス修正を無視して対象に直接攻撃を行えます。  攻撃の成否に関わらず、使用者は攻撃後に転倒し、次の手番まで起き上がれなくなります。 上位秘伝:《薙ぎ払いU》同時に攻撃できる対象数が6体までになり、追加ダメージの減少がなくなります。 フェイザーザップ 《万色竜刃》基礎特技:《魔力撃》 前提:なし 装備制限:「用法:2H」かつ<ソード>  自身の魔力によって武器に属性を纏わせ、また自身に属性に応じた強化を施します。  この秘伝を使用を宣言した近接攻撃は、それが発生させる物理ダメージ、魔法ダメージが指定した属性となり、使用者の「任意の魔力」点が追加されます。  使用者は「炎」「水・氷」「雷」「風」「土」「毒」「無」の任意の属性を選択できます。それぞれ、選択した属性によって使用者に効果が付与されます。   炎属性 :与えるダメージが更に「+6」点され、次の手番まで防護点が−2点、回避力・生命・精神抵抗力判定に−1のペナルティ修正を受けます。  水・氷属性:次の手番まで生命抵抗力判定に+2のボーナス修正を受け、精神抵抗力判定に−2のペナルティ修正を受けます。   雷属性 :攻撃のクリティカル値が「−1」され、次の手番まで回避力・生命抵抗力判定に−2のペナルティ修正を受けます。        固定値のキャラクターの場合、ダメージ決定の2dを「4d」として扱います。   風属性 :次の手番まで回避力判定に+2のボーナス修正を受け、防護点が−4点されます。また、生命・精神抵抗力判定に−1のペナルティ修正を受けます。   土属性 :次の手番まで防護点が+4点され、回避力判定に−2、生命・精神抵抗力判定に−1のペナルティ修正を受けます。   毒属性 :次の手番まで生命・精神抵抗力判定に−4のペナルティ修正を受けます。ダメージの決定後、対象に【魔力】点の毒属性魔法ダメージを追加で与えます。   無属性 :この近接攻撃で与えたダメージの1/2(端数切り上げ)点だけ、使用者のHPが回復します。次の手番まで回避力・生命・精神抵抗力に−2のペナ       ルティ修正を受けます。  秘伝使用者が《魔力撃強化》を習得している場合でも、この秘伝には適用されません。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【ウォーヘッド流傭兵戦技】  魔法文明次代中期に存在していた、ウォーヘッド傭兵団。士族で構成されたその団は、"ブルーブラッド"に左右されない戦力として多くの戦場で戦果を上げました。  ある時は時の魔法王にその力を買われ戦端を切り開き、ある時は虐げられた民草に雇われ悪逆の王を討ち滅ぼしさえもしましたが、その依頼主へ戦力を捧げる実直さ が禍いしたか、制御できない存在を危惧した時の帝国によって偽の依頼を掴まされ、騙し討ちの形で壊滅させられました。  敗走し生存した団員には武器を捨てて戦いから去った者、帝国に復讐を望む者、翻って帝国に忠誠を誓う者と幾つかに別れましたが、いずれも人狩りによって葬られ、 後の世に訪れた暗黒時代の中で歴史から忘れられた存在となりました。  その戦技は「力任せ」と「精密さ」の相反する二つの柱を持ち、その上で片手に武器、片手に盾という堅実なスタイルを崩す事がなかったとされています。まず自身 の命を第一とし、その上で常に連携を重視するものになっています。  徒が主となる戦士団にとって、戦場に到達する行程から戦闘は始まっていたのでしょう。 ▽秘伝▽ ハードスマッシュ 《烈破の一撃》基礎特技:《全力攻撃U》 前提:なし 装備限定:<絡み><格闘>以外の近接武器  武器はおろか、自身の肉体すら壊す勢いで武器を叩きつけます。  キャラクターが近接攻撃で発生させる追加ダメージをさらに+【武器の必要筋力/2(端数切り上げ)】点し、同時に自身のHPを同じだけ失います。  この損失でHPが0以下になった場合、生死判定を行い、失敗すると死亡します。  固定値のキャラクターが使用する場合、自身の基本となる打撃点の半分(端数切り上げ)が加算されます。 上位秘伝:《全力攻撃V》追加ダメージが+【武器の必要筋力】点となります。HPの減少も同じだけの点数になります。 スマートドライブ 《蜂落とし》基礎特技:《牽制攻撃T》 前提:なし 装備限定:「用法:1H」かつ<絡み>以外の近接攻撃武器  相手の動きを見極め、掠り傷程度でも武器をそこに届かせる、必中を是とした戦技です。傭兵団の新入りはまずこれを叩き込まれます。  この秘伝を使用した近接攻撃は「必中」として扱いますが、例外的に回避力判定を行う事ができ、回避力判定の達成値の半分(端数切り上げ)が防護点に加算されます。  回避力判定で自動失敗となった場合は、達成値は0とし、場合によっては防御ファンブルが発生します。  回避力判定で自動成功となった場合も、達成値は0となりますが、ダメージは「半減」として算出します。  このダメージを算出する際、クリティカル値を「+2」して計算します。 上位秘伝:《牽制攻撃U/V》それぞれ、クリティカル値の上昇が「+1/なし」になります。 ウェポンブロック 《塹壕の目》基礎特技:《防具習熟/盾A》 前提:《かいくぐり》 装備限定:必要筋力20以上の<盾>  大盾を構え、自身へ向けられた攻撃を受け流す事に集中します。近間からの攻撃のみならず、遠間からの射撃や突撃すらもいなす事を重視したものになっています。  この秘伝を宣言している間に自身が近接攻撃を受けた時、回避力判定の出目が「11」以上であれば「自動成功」として扱われるようになります。  この回避回数は、《かいくぐり》の効果を誘発します。  例外的に、この秘伝は戦闘開始時に後攻となった場合でも例外的に使用を宣言できます。 上位秘伝:《防具習熟/盾S》自動成功となる出目が「9以上」になります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【エルデン式決闘柔術】  魔法文明時代中期、はるか東の中原に生を受けたケンタウロスが編み出した「騎乗格闘術」です。特定の種族でなければ使用が難しいと思われますが、意外な事に当人の 遺した秘伝書は二足歩行でも再現出来るように記されていました。  決闘の名の通り1対1の戦いに特化した戦技ですが、裏を返せば1対1であればいかなる相手であろうとも「投げ」る事ができるという、まさしく物理法則を超越したか のような技術の結晶です。既に失われて久しいものですが、かつては巨竜すら投げ飛ばした英雄が居たという言い伝えがある地域もありました。  ──しかし、その本人はある戦場で呆気なく散ってしまいます。相対していたのは矢の雨を放つ傭兵達とも、魔法を陣と敷いた魔法王とも、蛮族の英雄を危険視した人々 であるとも、様々な憶測が流れました。  それらも今は忘れられ、覚えているのは、彼がその背に最後まで相棒たる魔導師を載せていたという事だけです。 ▽秘伝▽ 《バスタースロー》基礎特技:《投げ攻撃》 前提:なし 装備限定:なし  投げによる攻撃が命中した場合、対象を遠くへ投げ飛ばします。この時、通常のダメージ算出は行われません。  対象は、「(投げ攻撃の達成値)」mまでの任意の距離を投げ飛ばされ、【投げられた距離×3】点の落下ダメージを受けて転倒し、乱戦エリアから強制的に排除されます。  またこの時、対象が<金属鎧>を装備していた場合は受け身判定に目標値(投げられた距離に等しい)が設定され、失敗すると達成値が0として扱われ、さらにダメージが +【10】点されます。  固定値のキャラクターの場合、防護点が「20」以上であれば、<金属鎧>を装備しているものと同様として扱います。  投げ飛ばす方向は、使用者が任意に決定します。 上位秘伝:《投げ強化T/U》投げられる対象の部位数が、それぞれ「2部位まで/3部位まで」となります。 《シュライクフォール》基礎特技:《投げ攻撃》 前提:なし 装備限定:なし  投げによる攻撃が命中した場合、対象を掴みながら跳び上がり、強烈に叩きつけて転倒させます。  通常のダメージ算出を行った上で、そのダメージの最終値に【対象の防護点×2】の値を追加します。このダメージは「落下ダメージ」として扱われます。  この時、対象が受け身判定を行えますが、目標値として「投げ攻撃の達成値」が設定されます。失敗すると受け身判定の達成値は0として扱われ、さらにダメージが+【1 0】点されます。  この秘伝は、《投げ強化T/U》を習得していても、1部位のキャラクターしか投げることができません(<格闘>Bランク武器<投げ>の威力値は上昇します)。 上位秘伝:存在しません。 《フリースロー》基礎特技:《バスタースロー》 前提:なし 装備限定:なし【常動型】  《バスタースロー》によって放り投げる時、落下の衝撃を和らげる達人の妙技によって味方を無傷で運びます。  この秘伝を習得していると、《バスタースロー》によって放り投げた際、落下ダメージを与えず、また転倒もさせないまま移動だけ行わせる事ができるようになります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ◆魔力の章  今はもう存在しない魔術。その精髄は、今に広がるものと異なる法則の元に存在していたとされる。  そのどれもが様々な理由によって遺失し、現代においては名すら忘れ去られたものとなった。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ※「称号技能」について  称号技能とは、特定の条件を満たした「求道者」のみが習得可能な技能です。経験点テーブルは「B」となります。  これらの技能は単純にレベルが上げても、データ的に変わる部分はありません。ですが、特定のレベルに到達した場合、自動的に魔法や戦闘特技(秘伝)を習得します。  また、一部の装備品には称号技能のレベルが装備条件となる場合があります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【エニグマンサー/魔導術】 <修得条件:ソーサラー技能およびコンジャラー技能15レベル、かつ戦闘特技《ワードブレイク》を習得している「求道者」であること>  エニグマンサーとは、魔術を更に超克すると言われる「神秘(エニグマ)」の解明を目指す、探究者に与えられる称号です。  神紀文明の折、いまだ世界が原始的だった頃の純粋な魔力を人のまま制御しようとする試みは魔法文明時代後期──イスカイア帝国において最も盛んに行われましたが、成 功に漕ぎ着く事はありませんでした。  マナに直接働きかけ、自らの思うがままに形を与える、それこそが神秘に触れる一端であり、余人に到る事のできない法を超えたもの──魔導であると嘯いた者もいました。  そして数少ないエニグマンサー達は、神将イスカイアへの恭順を拒みその歴史の闇に埋もれていきました。  現代に至るまでその研究成果は歴史に拒絶されたかのように残存していません。  エニグマンサーがマナを操る術は、魔を導くもの、すなわち「魔導」と呼ばれます。現在の体系化された多くの魔法と比べると非常に原始的であり、その形は神聖魔法や妖 精魔法に似ます。  しかし神々や妖精達のような「マナを操る主体」を彼らは持ちません。もっと直接的に言えば、エニグマンサーは発動体を必要とせずにマナを操る事を可能にしました。  それでも彼らは杖や本などの小道具を好む傾向にあります。筆者の趣味としては、やはり指向性を与える道具がある方が気分的に盛り上がるからだと思います。 ▼レベル1で習得するもの▼  戦闘特技《魔法拡大/数・距離・時間・範囲》、特殊能力「○複数宣言=2回」を習得します。  この時、既に15レベルまでの戦闘特技で習得しているものがある場合、その一つにつきMPが「+15」点されます。 ▼レベル5で習得するもの▼  魔導[プロテクト][アゲインスト]を習得します。 [プロテクト] <射程:50m 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:30秒/3回 抵抗:なし 消費MP:12 属性:−>  対象を強靭な魔力の外殻で守護し、あらゆる攻撃を軽減します。対象は30秒(3ラウンド)の間、あらゆる受けるダメージを【半減】するものとして扱います。  この効果は効果時間の間であっても、【3回】効果を発揮すると効果が消滅したものとして扱われます。 [アゲインスト] <射程:100m 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:1日/1回 抵抗:必中 消費MP:8 属性:呪い>  選択的に魔法の行使を阻害する呪いを与えます。対象は次に行使判定を行う場合にサイコロを振り、出目が1〜3であれば、その魔法の達成値は強制的に【0】として扱われます。  この効果は効果時間の間であっても、【1回】効果を発揮すると、効果が消滅したものとして扱われます。  この魔法は、同じ対象には1日に1度しか掛ける事ができません。 ▼レベル10で習得するもの▼  秘伝《エンデュランス》を習得します。 《エンデュランス》基礎特技:魔法拡大/時間 前提:なし 装備制限:なし  自身が行使するマナの時間だけを遅延させ、より多い回数その効果を発揮させるようにします。  選択した魔法による消費MPを2倍とすることで、魔法の効果回数も2倍にします。この効果は、【ブリンク】や【レデュース・ガード】など回数が限定されている魔法にのみ適 用されます。  この秘伝は例外的に他の《魔法拡大/**》と同時に宣言できます。 ▼レベル13で習得するもの▼  魔導[デヴァステイト][イレイザー]を習得します。 [デヴァステイト] <射程:術者 形状:− 対象:半径5m/すべて 効果時間:一瞬 抵抗:半減 消費MP:20 属性:純エネルギーかつ衝撃>  自身を中心としてマナをエネルギー変換、爆発させて周囲をなぎ払い、そこにいる全てに【威力90+魔力×2】点の純エネルギーかつ衝撃属性の魔法ダメージを与えます。  この魔法は《魔法制御》によって制御することができませんが、該当する戦闘特技を持っている場合、その行使判定に+8のボーナス修正を得ます。  行使判定のボーナス修正は、真語魔法【マジシャン】や呪印【戦場把握】で習得した戦闘特技では、効果が発揮されません。 [イレイザー] <射程:30m 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:一瞬 抵抗:必中 消費MP:16 属性:−>  対象が望む、望まざるに関わらずに受けている魔法や練技、呪歌、賦術、特殊能力、アイテムその他などによる効果をすべて消し去ります。  消し去る対象を選ぶ事はできませんが、例外的に「効果時間:永続」であるもの、装備品によって恒常的に受けている効果は消える事がありません。  この効果に達成値の比べ合いは必要ありません。 ▼レベル15で習得するもの▼  MPに「エニグマンサー技能×5」点が加算されます。  また、<スタッフ>「ディスト・ディムス」、<非金属鎧>「プラネットローブ」が装備出来るようになります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【エクスキャバリア/士道術】 <修得条件:フェンサー技能15レベル以上、かつ戦闘特技《かばうV》《ガーディアン》を習得している「求道者」であること>  エクスキャバリアとは、魔法文明時代の貴族に仕えた騎士が用いたとされる特殊な魔術体系です。  特別な貴族(ブルーブラッド)と血を交わす契約を施したエクスキャバリアは、「支配力」こそ手に入れる事ができずとも、自身の肉体的な才能を自身の意思で望むままに 発揮できたと言われています。その力によって、彼らは盾だけでなく剣としても、不撓の戦いを繰り広げました。  かつては、士族(シルバーブレイド)でありながら支配力を受け入れるその姿は、持たざる民からは「青ざめた血(ペールブラッド)」とも揶揄される事もあったとされます。  ですが、魔法文明の時代が終わり「青き血」が薄れるにつれ、エクスキャバリア達の力も弱まり、終焉期とともに姿を消していく事になります。  契約の為には特定の血族(この場合は吸血鬼でなく、特定の一族を指します)が混じっていなければならなかったのか、一部の不死王が後も再現を試みていますが、現代まで における成功例は一つもありません。  エクスキャバリアが行使する魔力は、騎士道と士族を捩ってか「士道術」と呼ばれます。その触媒として使われる華美な装飾を施した「儀礼剣」は、剣としての性能こそ名剣 には及びませんが、自らの血を僅かに垂らす事でその魔力を帯びるという性質を持っています。  また、特徴的なものとして、彼らは常に軽装──礼服である事を好みます。これは主人が公的な場であっても側に控えて、また十分な貴格を備えていると知らしめる事でその 格を落とさない様にする為です。  常に主従が共に在り、戦時には主人を守るだけでなく連携も可能とする技能であると言えます。 ▼レベル1で習得するもの▼  戦闘特技《頑強》《ディフェンススタンス》《防具習熟/非金属鎧A》《防具習熟/非金属鎧S》《防具の達人》を習得します。  また、専用武器カテゴリ<儀礼剣>が装備出来るようになります。  この時、既に15レベルまでの戦闘特技で習得しているものがある場合、その一つにつきHPが「+15」点されます。 ※<儀礼剣>・・・エクスキャバリア技能専用武器です。          この武器を用いた近接攻撃は、追加ダメージに「エクスキャバリア技能の魔力」を追加できます。          この効果は、《魔力撃》と累積するものとして扱われます。 ▼レベル5で習得するもの▼  士道術[クイックムーブ][マリスリバース]を習得します。 [クイックムーブ] <射程:10m 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:30秒/2回 抵抗:なし 消費MP:30 属性:−>  脳内に加速物質を分泌させ、一時的に対象は「○影走り」「〆2回攻撃」「▽見切り(回避判定時、任意で自動成功にできる)」の3つの能力を習得します。  この効果は効果時間の間であっても、付与された能力の使用合計回数が【2回】になると、魔法の効果が消滅したものとして扱われます。 [マリスリバース] <射程:30m 形状:起点指定 対象:術者+1体 効果時間:一瞬 抵抗:消滅 消費MP:4 属性:呪い>  自身を苛む悪意を転化し、呪い返しの法の糧とします。対象に【威力(30+α)+魔力】点の呪い属性魔法ダメージを与えます。  この魔法は、自身が受けているペナルティ修正の量だけ、この魔法の行使判定・威力値が上昇します(ペナルティとは打ち消しあいます)。  「行為判定」のペナルティ修正を受けている場合、修正「−1」ごとに、行使判定に+2、威力値に+20のボーナス修正を得ます。  何らかの「行動判定」のペナルティ修正を受けている場合、修正「−1」ごとに、行使判定に+1、威力値に+10のボーナス修正を得ます。  与ダメージ・防護点が減少する効果を受けている場合、「−1」点ごとに、与えるダメージが【+2】点上昇します。  この威力値の累積によって威力値が【100】を超えた場合、更に【威力(0+α)+魔力】点の同様のダメージ判定が発生します。 ▼レベル10で習得するもの▼  秘伝《リタリエイション》、特殊能力「○複数宣言=2回」を習得します。 《リタリエイション》基礎特技:ディフェンススタンス 前提:《かばうV》 装備限定:<儀礼剣>  攻撃を庇うとともに、その流れた血を触媒として対象に衝撃を返します。  この秘伝は、《かばう》及びそれを基礎特技とする秘伝と同時に宣言します。次の手番まで、使用者は回避力・生命・精神抵抗力判定と生死判定を除くすべての行為判定に−2 のペナルティ修正を受けます。  《かばう》が発動した時、ダメージを与えたキャラクターは、即座に1dを振ります。この時、出た目が「6」であれば、与えたダメージと同じだけの物理ダメージを自身に受 けます。  この効果は「射程:接触」であり、受けた攻撃が近接攻撃・射撃攻撃のどちらであっても発動しえます。状況によっては、魔法に対しても発動する可能性があります。 ▼レベル13で習得するもの▼  士道術[イントルード][リメイン]を習得します。 [イントルード] <射程:接触 形状:− 対象:接触点 効果時間:10秒/一瞬 抵抗:なし 消費MP:64 属性:−>  血による分身体を作り出し、自身と連携させます。術者はこのラウンドの間、好きなタイミングでもう一度手番を得る事ができます。  再度の手番では、最初の手番で宣言したものとは別の戦闘特技や補助動作も行うことも可能ですが、それらによって発生したペナルティ修正は累積されます。  この能力は1ラウンドに1回まで使用できます。 [リメイン] 【射程:30m 形状:起点指定 対象:1体○ 効果時間:1日/1回 抵抗:なし 消費MP:32 属性:−】  血の契約を施して、対象の命を繋ぎ止める奇跡を起こします。対象は生死判定に失敗した場合、即座にHPが【自身の最大HPの半分】まで回復します。  この時、対象が受けていた望まない効果は、対象が望む限り達成値の比べ合いをすることなく解除することができます。  複数の部位を持つキャラクターがこの魔法を受けた場合、「コア部位」の生死判定が失敗した場合にこの効果が全部位に対し発揮されます。  この効果は同じ対象には1日に1回までしか行使することができません。 ▼レベル15で習得するもの▼  HPに「エクスキャバリア技能×5」点が追加されます。  また、<儀礼剣>「シルヴァフェンサー」<非金属鎧>「ブレイザブリク」が装備出来るようになります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【ジオニックルーラー/地脈術】 <修得条件:フェアリーテイマー技能15レベル以上、かつ戦闘特技《魔法拡大/範囲》を習得している「求道者」であること>  ジオニックルーラーとは、異国の地に伝わる地霊信仰が基となった魔術体系です。彼らは大地にこそ力が宿ると信じており、またその説を実現するかのように地脈(レイライン )と呼ばれるものの力を引き出す術を会得しています。  その総本山とも言われていたのが「光の山」と伝えられる深山です。彼らが大地の神を奉ったとするその山は宝石の鉱脈に溢れており、そこに宿ったマナが信仰に反応し、術式 を確立させたのだとも考えられます。  しかし、その性質がゆえか光の山は人蛮を問わず、何であれば宝石の魔性に惹かれた妖精や価値を見出した魔法王など多くの者に侵されており、彼らは次第に追い遣られその姿 が失われていきました。  最後に残った使い手は深い地の底への穴に隠遁したとも伝えられており、真に大地に一体化したのだとする声もありましたが、その噂話すらも今や風化して久しいものです。  ジオニックルーラーがレイラインから引き出す魔力は、その名の通り地脈術と呼ばれます。その力の指向性は「場所」に関わるものが多く、特に対象を強制的に転移させるもの は他に類を見ない貴重なものです。  その代償として攻撃的なものは殆ど無く、その弱点が彼らの衰退を招いたとも言えるかもしれません。  転じて連携できる仲間がいる場合、その戦場を掻き回す能力は非常にやっかいなものと成り得るでしょう。 ▼レベル1で習得するもの▼  特殊能力「○地脈渡り」を習得します。 「○地脈渡り」  縦横無尽に巡る地脈に身を潜らせ、30m以内の任意の場所に瞬時に移動します。一切の移動妨害を受けず、乱戦エリアを通り抜けたり、そこから離脱しようとする時、一切の 制限を受けません。  この能力は使用者が地面に足を付けている状態で、地面が露出しており、かつ地続きになっている場所でなければ効果を発揮しません。  ただし地面に足がついているならば、水底であれ崖上であれ、移動が可能となります。 ▼レベル5で習得するもの▼  地脈術[アイソレイト][リプレイス]を習得します。 [アイソレイト] <射程:30m 形状:起点指定 対象:乱戦エリア1つ、もしくは1体○ 効果時間:一瞬 抵抗:消滅 消費MP:22 属性:−>  地脈を乱して、対象、もしくは指定された乱戦エリア内に存在するすべての対象を無作為に選ばれた近傍の場所へと強制的に転移させます。  この魔法の対象となった乱戦エリア内に存在する、構造物を除く全てのキャラクターは即座にサイコロを振ります。このサイコロの出目に応じて、それぞれのキャラクターは強 制的に移動させられます。  ただし、転移する場所にはそのキャラクターが存在するだけのスペースがなくてはなりません。条件を満たさない場合、対象はその場から動く事はありません。 【標準戦闘における出目:移動箇所対応表】  |出目1:乱戦エリアから20m前方  |  出目4:乱戦エリアから20m後方|  |出目2:乱戦エリアから10m前方  |  出目5:乱戦エリアから10m後方|  |出目3:乱戦エリアから5m前方   |  出目6:その場から動かない   |  この効果によって乱戦エリアは自動的に解除されますが、例外的に同じ出目のキャラクターがおり、かつそれが敵対している場合に限り、乱戦状態が継続されます。  乱戦エリアがない場合、この魔法は「対象:1体○」として行使出来ます。その場合、転移する場所は「乱戦エリアから」を「現在地点から」に読み替えて適用します。 [リプレイス] <射程:50m 形状:起点指定 対象:特殊 効果時間:一瞬 抵抗:必中 消費MP:36 属性:−>  地脈を通した瞬間転移により、その周囲の地形ごと空間をまるごと瞬時に入れ替えます。  対象となるのは「術者を含めたキャラクター1体○または乱戦エリア1つ」となります。この時、キャラクター2体、キャラクターと乱戦エリア、乱戦エリア2つなどでもこの 魔法は効果を発揮します。  位置が入れ替わった時にそれぞれが存在できるだけの空間がなくとも、周囲の空間ごと入れ替える事が可能です。  ただし、入れ替える対象は術者が知覚できていなければこの効果が発揮されません(例:五感のみを持つ術者が乱戦エリアを対象にこの魔法をかけた場合、透明なキャラクター はその場に取り残されます)。 ▼レベル10で習得するもの▼  地脈術[シャットアウト][コレクト]を習得します。 [シャットアウト] <射程:30m 形状:起点指定 対象:乱戦エリア1つ 効果時間:30秒 抵抗:必中 消費MP:16 属性:−>  地脈を閉ざして空間を隔絶し、指定された乱戦エリアからの脱出を阻害します。  この魔法の対象となった乱戦エリアは移動による脱出が不可能となります。同時に、いかなる方法でも乱戦エリアに侵入する事が不可能になります(外部から干渉する事は可能 です)。  それに伴い、乱戦エリアが通路の幅などいっぱいに広がっている場合は、それは「視線は通るが通過できない遮蔽物」であるものとして扱われます。  この効果は、乱戦エリア内での戦闘が決着し敵対状態が解除されても効果時間中は有効となります。  脱出するには、離脱宣言を行った上で精神抵抗力判定を行い、この魔法の行使判定の達成値と比べ合いを行い勝利すれば、次の手番に脱出できます。  《影走り》などの離脱宣言を無視できる戦闘特技を所有している場合、脱出する時に精神抵抗力判定での達成値の比べ合いを行うのは同様ですが、その比べ合いを補助動作で行 い、また比べ合いに勝利すれば、その手番のうちに乱戦エリアを脱出することができます。  敵対する陣営がいなくなるなどの要因で乱戦エリアが消滅した場合、この魔法は効果を失います。 [コレクト] <射程:50m 形状:起点指定 対象:指定の地点+1体# 効果時間:一瞬 抵抗:消滅 消費MP:16 属性:−>  地脈の流れをひと所に集める事で、指定された地点へと対象に選んだキャラクターを強制的に転移させます。  転移した場所が乱戦エリアだった場合、対象は即座に乱戦状態に巻き込まれます。  この魔法は例外的に、【1体】の対象のみを《魔法拡大/数》によってさらに追加で選択する事ができます。1回の倍化によって、追加で1体のキャラクターを選択できます。 ▼レベル13で習得するもの▼  地脈術[アイソレイトダーク]を習得します。 [アイソレイトダーク] <射程:術者 形状:− 対象:半径100mの空間 効果時間:一瞬 抵抗:消滅 消費MP:40 属性:−>  周囲の空間の霊脈をかき乱し、空間の位相を狂わせあらゆる座標を転移させます。この魔法は例外的に、術者も対象とすることができます。  抵抗に失敗した対象は【〆アイソレイト】と同様に1dを振ります。結果の「乱戦エリア」を「対象の現在位置」として読み替え、強制的に移動が行われます。  この時、術者以外の転移したキャラクターは歪んだ空間に巻き込まれた影響で【威力60+魔力】点の物理ダメージを受けます。この物理ダメージは防護点を無視します。  乱戦エリアに存在するキャラクターがこの効果を受けた場合の処理は、【〆アイソレイト】のものに準じます。 ▼レベル15で習得するもの▼  地脈術[アイソレイト][コレクト]が、「抵抗:必中」として扱われるようになります。  また、装飾品「コーイヌール」が装備出来るようになります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【ストライダー/生存術】 <修得条件:シューター技能およびレンジャー技能15レベル以上、かつ戦闘特技《狙撃》を習得している「求道者」であること>  ストライダーとは、神紀文明時代における原始的な「獣狩り」を再現した技術です。その名前は始祖となった狩人のものを拝領していますが、後の世の誤訳により「韋駄天」 と翻訳された結果、その存在自体が小神ラトクレスと習合されてしまう事態が起こりました。その為、魔法文明時代の中期には半ば忘れられた存在となっていました。  彼らが主に活躍したのは魔法文明時代前期の終わり、魔法王デュランディルが暗殺された後でした。魔法という文化が未だ下々の民に届かぬ時代において、弓というのはまだ まだ主流となる道具であり、武器だったからです。  その技法は元となる狩猟から、あるいは戦争に、時には技芸としても評価されていたとされます。  彼らが用いる技法は、生存術と呼ばれます。神々の時代、今に伝えられる神々に率いられた民は今の人類より遥かに強靭でしたが、それでも戦や狩りにおいて、宿福を受けた 一騎当千の英雄や、それらにも脅威とみなされる神代の獣たちに比べ、そこには大きな隔たりがありました。  そのため彼らが編み出したこの技術は、奇跡も届かせづらい遠間からの狩りを主是として、その中には魔術に似たものも含みました。最も特徴的なものとしては、矢そのもや 靴などの装具品に紋を彫り込み、マナによって励起させる、アーティザンに酷似した技術もあった事でしょう。  しかし、伝承していた人々は時に「弓で獣に挑むなどと」と嘲笑されていました。魔法文明の興隆、魔器技術の向上、それらによって技術が陳腐化していったストライダー達 は、やがて時代遅れの遺物として置いていかれ、彼らの故郷であった森とともにひっそりと滅びたとされています。 ▼レベル1で習得するもの▼  戦闘特技《武器習熟/ボウA》《武器習熟/ボウS》《射手の体術》を習得します。  この時、既に15レベルまでの戦闘特技で習得しているものがある場合、その一つにつき射撃攻撃の射程が「+10m」されます。 ▼レベル5で習得するもの▼  生存術[☆ラジカルザップ][トレースオン]を習得します。 [☆ラジカルザップ] <射程:術者 形状:− 対象:術者 効果時間:一瞬/10秒 抵抗:なし 消費MP:12 属性:特殊>  この魔法は、発動体としてあらかじめ紋を彫り込んだ任意の<矢>を入れた矢筒などを装飾品として装備しているか、その矢をつがえた弓を装備していなければ行使できません。  この魔法を行使した場合、主動作で<矢>による近接攻撃を行うことができます。命中力は通常通りに計算しますが、そのダメージは【威力30+魔力】点の魔法ダメージとなり、 属性や追加効果は使用した矢に依存します。  <矢>による近接攻撃が命中した場合、ダメージの有無に関わらず術者は次のラウンドの自身の手番において追加で主動作を行えるようになります。この効果は累積しません。  <矢>による近接攻撃は、《マルチアクション》などの条件を満たすものとして扱われます。 [トレースオン] <射程:100m 形状:起点指定 対象:術者+1体 効果時間:1分 抵抗:短縮 消費MP:8 属性:−>  対象に標的を示す魔力のマーキングを付け、その移動を選択的に妨害する暗示を自らに施します。  対象となったキャラクターが何らかの移動を行う度、術者は手番に依存せずに「移動速度の半分」mだけ対象の座標に向けて移動します。この移動は制限移動として扱われます。  この魔法によって移動した術者が自身の手番を迎えた場合は、その時に改めて任意の方法によって移動を行うことが可能です。 ▼レベル10で習得するもの▼  戦闘特技《デュアルアクション》《曲射》を習得します。 ▼レベル13で習得するもの▼  生存術[ダイバーキック][メズマライズ]を習得します。 [ダイバーキック] <射程:特殊 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:一瞬 抵抗:消滅 消費MP:20 属性:衝撃>  全身のバネを活かして宙空に跳び上がり、あるいは翼などによって高空に舞い上がり、流星のような飛び蹴りを見舞います。  この魔法(?)を行使した術者が「飛行状態」でない場合は、即座に[跳躍判定]を行います。その達成値が、そのままこの魔法の「射程」として扱われます。  また術者が「飛行状態」である場合は、そのまま「移動速度」が同様に「射程」として扱われます。  飛び蹴りは距離が近ければ近いほど威力を増し、対象に【威力20+魔力+(射程−対象までの距離)】点の衝撃属性物理ダメージを与えます。  対象はこの魔法(?)に対しては、精神抵抗力判定ではなく回避力判定を行わなければなりません。  また、命中の成否に関わらず、術者は飛び蹴りの後に任意の方向に10m移動します。この移動は「移動妨害」を受けず、「離脱宣言」の必要もありません。 [メズマライズ] <射程:半径3m 形状:− 対象:術者 効果時間:30秒 抵抗:短縮 消費MP:12 属性:精神効果>  術者の周囲を幻覚で包み込み、一種の催眠状態に陥らせます。効果を受けたキャラクターは正確な距離や位置の把握ができなくなります。  術者を中心とした半径3m内のすべてのキャラクターは一時的に《魔法誘導》《精密射撃》を前提としたすべての戦闘特技が使用できなくなります。  また、射程を持つ効果はすべて「射程:5m」であるものとして扱われるようになります。 ▼レベル15で習得するもの▼  特殊能力「○風を詠む瞳」を習得します。  また、装飾品「ヴァジェトの眼」が装備できるようになります。 「○風を詠む瞳」  風属性によるダメージを自動的に半減し、あらゆる不利な効果を無効化します。  また、風属性による何かしらの効果を受けた場合、10秒(1ラウンド)の間、戦闘特技《足さばき》《影走り》を習得したものとして扱い、「〆弓」による射撃攻撃の射程が さらに「30m」延長されます。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【セイクリッド/退魔術】 <習得条件:古代神を進行するプリースト技能15レベル以上で、神聖魔法【コール・ゴッド】によって術者自身が願うこと>  セイクリッドとは、神々が敬虔な信者から直に見出した、神を主人として戴く神聖騎士としての称号です。  神紀文明時代、神々同士の戦争においてより深い信仰を持つ者にこの称号が与えられ、その主人に対し勝利を捧げるべく活動していました。  しかし戦争が終わり、アストレイド──神々の忘れ形見であり、人類の天敵種であった滅びの使者が現れたことで、神への信仰は神代に比べ急激に薄れていきました。  やがてデュランディルによって魔法の概念が生み出されたことで、セイクリッドに目覚める程の純粋な信仰心を持つ者は現れることがなくなりました。  現代においても、条件を満たす事ができれば修める事自体は可能です。しかし「自身が古代神へのコール・ゴッドを行う」というその条件が現世での消滅を意味する以上、実質 的には失伝したと言えるでしょう。  かつて存在したセイクリッド達も、神々の衰退を経て与えられた力が失われ、元のプリーストに戻っていったとされています。  彼らが扱う神聖魔法は、通常のものと区別すべく「退魔術」と呼ばれます。この場合の「魔」とは神に仇なす者を指す為、必ずしも一般的な邪悪を対象とはしません。戦争状態 であった事から、第一の神々を戴くセイクリッドは穢れを持つ者に、第二の神々のセイクリッドは穢れを持たない者に対して特効的な退魔術を備えています。  また、彼らは多くの場合自分たちより位が下となる神官戦士達とともに戦うものでした。それ故にか、数多くよりもより広くに奇跡を届ける術法や、仲間の危機に駆けつける為 の奇跡など、現代では見られない類のものが散見されます。 ▼レベル1で習得するもの▼  任意の戦士系技能12レベルを経験点を支払わずに習得できます。また、戦闘特技《マルチアクション》《MP軽減/プリースト》を習得します。  セイクリッド技能を習得するまでに技能レベルが上がっていたならば、現在のファイター技能レベルの差分だけ経験点が返還されます。  また、既に15レベルまでの戦闘特技で習得しているものがある場合、その一つにつき退魔術の消費MPが「−2」点されます。 ▼レベル5で習得するもの▼  退魔術[スティグマ]もしくは[ネガ・スティグマ][エクステンション]を習得します。  ※第一の剣を信仰していれば[スティグマ]、第二の剣なら[ネガ・スティグマ]、第三の剣であればどちらかを選び習得することになります。 [スティグマ] <射程:30m 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:一瞬 抵抗:半減 消費MP:12 属性:−>  対象の魂へ聖なる印を刻みつけ、【威力20】点の魔法ダメージを与えます。  この時、追加ダメージとして【10×(対象の穢れ点)(最大50/最低0)】点が加算されます。  ルーンフォークやタロス、魔法生物など穢れ値が存在しないキャラクターに対しては、この追加ダメージは与えられないものとして扱われます。 [ネガ・スティグマ] <射程:30m 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:一瞬 抵抗:半減 消費MP:12 属性:−>  対象の魂へ聖なる印を刻みつけ、【威力20】点の魔法ダメージを与えます。  この時、追加ダメージとして【魔力×(4−対象の穢れ値)(最大50/最低0)】点が加算されます。  ルーンフォークやタロス、魔法生物など穢れ値が存在しないキャラクターに対しては、この追加ダメージは与えられないものとして扱われます。 [☆エクステンション] <射程:− 形状:− 対象:術者 効果時間:一瞬 抵抗:なし 消費MP:14 属性:−>【マルチターゲット併用可】  自身が行う魔法を拡張し、本来持つ効果範囲を超えて行使します。  この効果を受けてから「射程:接触」以外の魔法を行使した場合、対象が他者であれば、その効果範囲を1体>「半径3m/10」>「半径6m/20」>「半径10m/制限 なし」に、対象が術者であれば、その効果範囲を術者のみ>「術者を中心として半径3m」>「術者を中心として半径6m」>「術者を中心として半径10m」と効果範囲を拡張 します。  この魔法は複数回行使しても、1段階分の拡張しか行われません。  また、この効果は魔法の行使判定が行われた場合、その時点で消失します。 ▼レベル10で習得するもの▼  <ソード>「(信仰する神に応じた冠詞を持つ)懐刀」、アイテム「(信仰する神に応じた冠詞を持つ)護符」を扱えるようになります。  それぞれの効果は、信仰する神によって変化します。 ▼レベル13で習得するもの▼  退魔術[ターンシフト][レッドゾーン]を習得します。 [ターンシフト] <射程:10m 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:一瞬 抵抗:なし 消費MP:36 属性:−】【手番開始直後、移動・補助動作前のみ行使可能>  自身が行うはずだった行動の未来を、一時的に対象に託します。自身の手番を即座に終了し、対象に独立した1回の手番を与えます。  この時に対象が得た手番では、「すでに通常移動を行っていた場合でも魔法などの行使が可能」といったように、対象が自身で行うあらゆる行動の制限を受けません。同様に、 この手番で行った行動は、同じラウンドに対象が行うあらゆる行動に制限を与えません。  この魔法には、《魔法拡大/数》および[☆エクステンション]、またそれに準ずる効果は適用されません。 [レッドゾーン] <射程:接触 形状:− 対象:1体 効果時間:1日 抵抗:なし 消費MP:12 属性:−>  仲間が危機となる、あるいは倒れた時に即座に自身が動けるようにします。  この魔法をかけられたキャラクターの現在HPが最大HPの1/10以下になるか戦闘不能となった時、術者がその直後の手番に割り込んで主動作を行えます。  この魔法は1日に1回までしか行使できません。   ▼レベル15で習得するもの▼  退魔術[スティグマ][ネガ・スティグマ]の射程が「50m」となり、発生させる追加ダメージの上限が【100】点になります。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【フェダーイン/気功術】 <習得条件:フェンサー技能15レベル以上、かつ精神力60以上で、戦闘特技《足さばき》を習得している「求道者」であること> <技能レベル上昇条件:敏捷度ボーナスが「現在の技能レベル以上」であること>  フェダーインとは、異大陸の砂漠に棲む民に伝わっていた戦闘術です。魔法という技術が生まれる以前、アストレイドの災厄から身を守り対抗するべく編み出されたこの技 術は、当時においては彼らが集落を拓いていたオアシスに訪れる旅人にも広く伝えられていたとされます。  そして、デュランディルによる魔法理論が確立し、アストレイドの絶滅が掲げられる中、そのオアシスは魔法王による戦略兵器──禁じられて久しい禁術、「核熱の術式」 に巻き込まれ、文字通りの死の砂漠と成り果てました。  結果として、その技術は完全に体得した旅人にのみ伝えられるものとなりましたが、その習熟は困難を極め、初歩を覚える者はいても衣鉢を得るほどの者は少なく、それも また長くの戦役の中で失われたとされます。  彼らが扱う技術は大別して二つあり、ひとつは体捌きと一撃必殺に是をおいた剣術です。一定の距離を保ちつつ突如として飛び込み、捨身の一撃にて急所を狙うその姿は、 テラスティアにおけるフェンサーの戦い方とは一線を画します。  また、彼らは呼吸法ならぬ気功術という、剣気・闘気を操る技術を編み出しています。体内のマナを消費して行われるそれらの術はバジリスクの視線にも似ており、時には 物理法則すらも超越した現象を発揮させます。 ▼レベル1で習得するもの▼  戦闘特技《武器習熟/ソードA》《武器習熟/ソードS》《カウンター》《回避行動》を習得します。  この時、既に15レベルまでの戦闘特技で習得しているものがある場合、その一つにつき回避力に+1のボーナス修正を得ます。 ▼レベル5で習得するもの▼  気功術[☆パッシブスタイル]、秘伝《裂帛》を習得します。 [☆パッシブスタイル] <射程:− 形状:− 対象:術者 効果時間:10秒 抵抗:なし 消費MP:24 属性:−>  常在戦場の精神を具現化した、闘気のオーラに包まれます(正しくは魔法というよりは練技の極みとも言える技術です)。  闘気のオーラを纏っている間は、術者は受けるダメージを4分の3(0.75倍/端数切り上げ)に軽減します。またあらゆる判定において、超成功が発生します。  さらにこの効果が消滅した場合、その瞬間に自身のHPが【最大HPの1/10(端数切り上げ)】点だけ回復します。  一応はマナによる効果の為、【ディスペル・マジック】などで解除することが可能です。  レイジ 《居合》基礎特技:《武器習熟/ソードA》 前提:なし 装備限定:<ソード>  裂帛の気合を刃に込め、敵一体を斬りつける抜刀術です。気の力で、実体を持たない目標に対してもダメージを与える事が出来ます。  この秘伝を宣言した近接攻撃は、魔法の武器によるものとして扱われます。また、「○通常武器無効」の能力を持つキャラクターに対しては、与えるダメージが【+2】点 されます。 上位秘伝:《武器習熟/ソードS》この秘伝による近接攻撃の命中力判定でクリティカル、もしくは超成功が発生した場合、そのダメージは防護点を無視して与えられます。 ▼レベル10で習得するもの▼  気功術[☆ソーサルアンカー]、戦闘特技《マルチアクション》《回避行動U》を習得します。 [☆ソーサルアンカー] <射程:30m 形状:射撃 対象:1体 効果時間:一瞬 抵抗:消滅/必中 消費MP:4 属性:−>  闘気で編んだ非実体のアンカーを射出し、対象に楔として打ち込みます。  このアンカーは打ち込まれた直後に巻き取られ、「対象を自身の地点まで引き寄せる」か、「対象の地点まで自身が跳躍するか」の2つの効果から、どちらかを選んで発動し ます。  引き寄せを選択した場合、その効果は「抵抗:消滅」として扱われます(基本的には主動作によって発動し、行使判定を行わなければ選択できません)。  跳躍を選択した場合、その効果は「抵抗:必中」として扱われます。  アンカーによって引き寄せる事ができるのは部位数が2以下のキャラクターか、200kg未満の構造物に限られます。跳躍に関しては、この制限はありません。  この効果は移動妨害の影響を受けず、また離脱宣言の必要もありません。さらに、この効果を使用した後にも制限移動が可能です。 ▼レベル13で習得するもの▼  気功術[ディビリテイター]、秘伝《捨身》を習得します。 [ディビリテイター] <射程:50m 形状:起点指定 対象:1体 効果時間:30秒/3回 抵抗:短縮 消費MP:32 属性:呪い+精神効果>  相手に畏怖を抱かせる視線で射竦め、対象の行動はおろかその幸運までもを阻害します。対象は30秒(3ラウンド)の間、あらゆる判定において自動失敗する出目が「2」 から「5以下」となり、かつ自動成功が発生しなくなります。  この効果は効果時間の間であっても、【3回】2dによる判定を行うと効果が消滅したものとして扱われます。  対象がこの魔法に対する精神抵抗力判定に成功した場合、効果時間は10秒、かつ効果回数は【1回】として処理されます。 ハイスラッガー 《捨身》基礎特技:《回避行動U》 前提:なし 装備限定:<ソード>  自身の回避を顧みない捨て身の技で、一撃必殺の攻撃を行います。命中力判定に+【回避力判定の基準値/10(端数切り上げ)】のボーナス修正を受け、また【回避力判 定の基準値】点の追加ダメージを得ます。  ただし攻撃の成否に関わらず、自身が次に行う回避力判定は、サイコロを振らず自動失敗であるものとして扱います。この効果は防御ファンブルを誘発します。 ▼レベル15で習得するもの▼  戦闘特技《ファントムカウンター》《心眼》を習得します。  また、<ソード>「リッツシュベールト」装飾品「ハジャル・アスワド」が装備できるようになります。