◇レベル25 エルダーククエミュレーター <幻獣> 知能:高い 知覚:五感(暗視) 反応:中立 言語:すべて 生息地:試練の遺跡第9層「深淵の霊廟」 知名度/弱点値:28/- 弱点:なし 先制値:38 移動速度:10(飛行) 生命抵抗力:30(37) 精神抵抗力:33(40) ■攻撃方法:命中力:打撃点:回避力:防護点:HP:M P   なし : - : - :27(35): 0 : 9 :999 ◇特殊能力(○常動型、〆主動作型、☆補助動作型、☑宣言型、▽条件型、▼条件選択型) ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ○毒無効、○病気無効、○呪い無効 ○試練を課すもの・深淵の番人 【範囲:戦場ひとつ】【対象キャラクター:自陣営 かつ レベル25未満の魔物】  この魔物は、遺跡の守護者として周囲の魔物を強化する特殊な性質を持っています。  対象となるキャラクターは、以下のように能力値への修正を受けます。  ・レベルが【25】であるものとして扱われます。  ・自身の行使判定を除く行為判定に【30-(自身のレベル)】のボーナス修正を受けます。  ・発生させるダメージが【+40-(自身のレベル)】点、防護点が【+15-(自身のレベル)】点上昇します。  ・HPとMPが【+50】点されます。  ・使用可能な「魔法」は、一律として習得レベルが【+8(上限15)】されるものとして扱います。  ・置き換え可能な《戦闘特技》は、すべて最もランクが高いものとして扱います。 〆真語魔法、操霊魔法、深智魔法、神聖魔法(クス)、妖精魔法、召異魔法、秘奥魔法15レベル/魔力32(39)  妖精魔法の契約クラスと使用可能ランクは、全6属性について、クラス5・ランク10として扱います。  召異魔法は習得していますが、非合法であるものは行使しません。  秘奥魔法は、レベル15までに習得可能なものすべて(学派魔法含む)を行使します。 ○☑〆魔法の化身  戦闘特技《魔法誘導》《魔法収束》《魔法制御》《鷹の目》《魔法拡大/確実化・数・距離・時間・範囲》《マナセーブ》《MP軽減/真語魔法・操霊魔法・深智魔 法・神聖魔法・妖精魔法・召異魔法》《クリティカルキャスト》《ダブルキャスト》《マルチアクション》《ルーンマスター》《ワードブレイク》を習得しています。  《ダブルキャスト》を宣言した場合、「〆遺失魔法」はその効果を受けて行使することはできません。 〆連続詠唱  1回の主動作で、2つの魔法を行使できます。行使する魔法の系統は別々でなければなりません。 〆▼占瞳/30(-)  基準値30で、超越者用のものを含まない全ての占瞳を用います。占瞳の使用時には固定値を用いず、必ず2dを振って基準値に足し、達成値を求めるようにします。  自発的な自動失敗は行なえません。 ○完全なる知/30(37)  「変装判定」「弱点隠蔽判定」など、何かを隠したり偽ろうとしたりする行為判定は、この魔物に対しては、全て自動的に失敗します。  また、セージ技能を用いた判定を基準値30で行い、戦闘特技《弱点看破》《賢人の知恵》を習得しているものとして扱います。 ○古き智慧の守り  HPの最大値を変更する効果、ダメージ以外でHPの現在値を増減させる効果をいっさい受けません。  また、この魔物は受けるあらゆるダメージが「1/100(端数切捨て)」されます。  それ以外の方法では、ダメージ決定で「クリティカル」が起こった場合、この魔物のHPが、その【クリティカルの回数】点だけ減少します。  魔物の打撃点や乱数を使う効果のダメージ決定では、出目が「11」以上であった場合に限り、この魔物のHPが【1】点減少します。  魔法や能力が、ダメージと同時に特殊な効果を与えるものである場合、この魔物が抵抗力判定などに失敗しても、適用ダメージが「0」ならば、その付随的な効果を 一切受けません。 ☆ワードインストール【《ワードブレイク》秘伝:補助動作型】  補助動作で、対象に効果を与えている効果時間中の魔法、練技、呪歌、賦術、鼓咆、占瞳などの効果ひとつを選んで、その効果を自身に移し替える事ができます。  この効果は「射程:30m」「対象:1体」として扱います。転移を試みる効果の名称は、知らなくても構いません。  任意の魔力を基準値として行為判定の達成値を決め、対象の達成値との比べ合いを行います。達成値を持たない効果の場合、比較の必要なく転移されます。  移し替えた効果の継続時間は元々の魔法が行使されたタイミングを適用しますが、術者は秘伝の使用者であるとして扱います。  この秘伝は、1ラウンドに1回までしか使用できません。 ○特異点定理【《弱点看破》秘伝:常時型】  対象の弱点、もしくは「○○に弱い」の能力を満たすダメージを与えた場合、さらに【最終ダメージ(防護点などで減衰する前の値)の1/10(端数切り上げ)】 点の追加ダメージを与えます。  この効果は、自身が《弱点看破》を適用した対象でなければ効果がありません。 〆☆遺失魔法:時戒術/魔力36(43)  この魔物は、遺失魔法【ワードインストール】【コマンドリプレイ】【シャドウサーヴァント】【☆シンクロナイザー】【ディストーション】【☆システム・クロノ スⅡ】を習得しています。  それぞれのデータは、下記の特殊能力を参照してください。  レベルを必要とする魔法の場合、15レベルとして扱います。 〆コマンドリプレイ【遺失魔法】 【射程:術者 形状:- 対象:術者 効果時間:10秒/一瞬 抵抗:なし 消費MP:99 属性:-】  時の歴史から自身が見たものを一瞬だけ引き出し、その行動を再現します。  この魔法を使用するためには、直前のラウンドにも自身がその場に存在していなければなりません。  直前の自身の手番終了時以降、現在の自身の手番開始までに行動を行ったキャラクターのコピーを一人召喚し、その行動を再現させます。  行動のリプレイにおいては、元のキャラクターの数値と能力をそのまま引き継ぎ、装備品やアイテムなども同様として扱います。しかし、移動距離や効果の具体的な 対象は、術者が(それを行ったものとして)任意に決め直されます。  この魔法に呼び出されたリプレイは、その行動がすべて終了すると自動的に消滅します(結果として、呪歌や鼓咆は効果を残す事ができません)。 〆シャドウサーヴァント【遺失魔法】 【射程:接触 形状:- 対象:接触点 効果時間:30秒 抵抗:なし 消費MP:44 属性:-】  自身の記憶から再現した情報を、影の存在として使役します。  術者は「自身が出会った事のある魔物」を従者として作製し、命令を与えて行動させられます。ただし、「術者のエミュレイター技能レベル-2」を超える魔物は使 役できません。  この魔法で作製された魔物に与えられる命令は、「逐次指示に従え」に限られ、次の手番から行動を開始できます。  また、この魔法で作製された魔物は、戦利品が「なし」であるものとして扱われます。  この魔法は、1ラウンドに1回までしか使用できません。また、「ディスペル・マジック」などによって魔法が解除された場合、作製された魔物は即座に消滅します。  その場合、経験点は1部位のみ得られるものとし、かつ戦利品は得られないものとして扱います。  この魔物は、戦場における自陣営の味方数が敵数より少ない場合のみ、この能力を使用します。 ☆シンクロナイザー【遺失魔法】 【射程:30m 形状:起点指定 対象:1体+1体 効果時間:30秒(3ラウンド) 抵抗:短縮 消費MP:12 属性:-】  対象同士を魔力のパスで繋ぎ、その精神的・肉体的状態を共有させます。  この魔法が行使されると、対象はそれぞれ自分が受けているボーナス修正・ペナルティ修正・アイテムや魔法などによって掛かっているあらゆる効果を共有します。  状態の共有は、「○毒無効」などによって無効化される属性であっても、片方が効果を受けたならばもう片方にも反映されます。  ただし、元々同じ効果を受けている場合でも、その効果は累積されません。 〆ディストーション【遺失魔法】 【射程:10m 形状:起点指定 対象:1体○ 効果時間:10秒(1ラウンド) 抵抗:なし 消費MP:24 属性:-】  対象を空間を歪ませた障壁で包みます。突破の為には、強い衝撃か次元を超える攻撃が必要なります。  対象は【この魔法の達成値】点以下のダメージを無効化します。また、ダメージを伴う特殊な効果も、無効化する限りその付随的な効果を一切受けません。  ただし、【ディメンジョン・~】と名前のつく魔法に対しては、この効果は適用されません。 ☆システム・クロノスⅡ【遺失魔法】 【射程:術者 形状:- 対象:術者 効果時間:一瞬 抵抗:なし 消費MP:25 属性:-】  この魔法は例外的に先制判定の直前に行使できます。  戦闘開始時、戦闘開始処理が終了した直後、1ラウンド目の先攻となった陣営の手番の前に、2回だけ術者が魔法を行使できます。術者の陣営が先攻でなくても構いません。  ただし、行使される魔法はすべて「抵抗:なし」として扱われます。  また、この効果で魔法を行使する際、戦闘特技の宣言は1ラウンド目の術者の手番開始時まで有効となります。さらに、この効果で魔法を行使した場合、戦闘開始時から術者の手 番開始時までを10秒(1ラウンド)として扱います。 ◇戦利品   自動:時の止まった懐中時計(87,040G/-)   自動:叡智の羽(4,000G/赤白S)*1d  2~6:神智の羽(16,000G/赤白SS) 7~12:旧主の術法書(80,000G/白黒SS)  13~:咎者のグリモア(180,000G/白黒SS) ◇解説  体長2mほどの大きな身体を持つ、真っ白の羽毛に包まれたクク(『IB』=>161頁)です。通常のククと異なり翼が大きく、ゆっくりと羽ばたいて滞空しています。  エルダーの名前の通り非常に古い個体であり、九つの生命も永年の間で使い切っています。しかしその代わりとして得た「エミュレート」なる魔法系統を習得して いる事が特徴です。  エミュレートは、自身が識っている存在を魔力を束ねて再現し、使役する魔法系統です。魔動機術の【リピートアクション】にその性質は似ていますが、随意に、 かつ自身以外のものを知識にある限りは自在に再現出来るという点において一線を画します。  言葉遣いこそ通常のククのように難解ではなく、ここまで辿り着いた挑戦者達ともコミュニケーションを取る事ができます。しかし自身が番人とする層を超えよう とすれば、今までの番人よりも苛烈に、挑戦者を止める為自身の持てる魔力全てを用いて立ちはだかる事になります。  名を「モシレチク・コネチタク」と言い、キルヒアとクスに信仰と叡智を捧げる隠遁者でした。しかし、侵掠によって棲家を焼かれ、記憶と命以外を失った事件を 経て、彼はその主導者であったイスカイア帝国に並々ならぬ感情を懐き始めました。  彼は、自身と同様の者たちをその叡智によって見出し、知識の保全を主と掲げて同志としていきました。無論、その言葉の裏には帝国への復讐があり、失われた智 慧に向けられた憐憫もありました。  そして「螺旋計画」と名付けられたその保全計画は、同志たちの肉体と魂と魄を切り分け、その魂を地底に向けられた迷宮「クル・エテメンアンキ」のシステムに 組み込む事で完成を得ます。  イスカイアへの復讐を望む魄は肉体に保存したまま霊廟に安置し、理性とも言える魂のみを別の器に転生させる事で、状態を安定させたのです。  ──その真実を知るのは、彼だけです。霊廟に眠る肉体の事は、彼は同志たちには隠し続けています。  いずれ滅び、しかし現代に蘇ったイスカイアの智識が、帝国の復活に繋がったならば。  その時こそ、数千の時に至るまで肉体に懐かれ続けた「怨」の一文字が、失われたと信じる知識を統べる厄災として再誕する事を知っている為です。  同志達を騙し続け、利用し続けたとも言えるこの年月、彼はその時が永遠に来ない事を祈り続けています。