アルカニスト(隠秘術) 分類:魔法使い系技能A ------------------------------------------------------------------------------ 《概説》  隠秘術と呼ばれる魔法を操るための技能が、アルカニスト技能であり、その使い手を隠秘 術師と呼びます。  隠秘術は、既存のあらゆる魔法系統に帰属しません。一説によればデュランディルより以 前から、文明の裏に隠されてきた秘儀であるとも、ラクシアでない場所から伝わった禁断の 知識であるともされ、その技術の中でも魔力によって操る事ができるものがこの系統に分類 されます。  隠秘術は現在、アルカナと呼ばれる22種が存在していたことが確認されています。これ らの術に統一性は殆どありませんが、ラクシアにおいて定義される攻撃、補助、回復いずれ においても非常に尖鋭化されたものであり、実用性においては大いに疑問が持たれると言う 研究がなされています。  しかし隠秘術はその全貌の多くが謎に包まれており、以上の研究結果もいまだデュランデ ィル時代の魔法王――デスロード達の記録をつなげ合わせて得られた断片的なものでしかあ りません。  その技術を正しく扱える人物は現代はおろか、魔動機文明時代ですら見つかっておらず、 遅くとも魔法文明時代末期から暗黒時代のさなかにおいて失われたと言う説が支配的です。 ------------------------------------------------------------------------------- 《発祥》  ラクシアにおいて隠秘術が記録として発見されたのはデュランディル前期、ミスカトニッ ク王の手記に始まります。  記録において隠秘術は人々が編み出した真語魔法、操霊魔法のいずれとも異質な力を持っ ていることや、マナを利用するものの、その力の源である術式が如何にして組まれているか などを研究せねばならないと言う内容に終わっており、長らくの間名前だけが伝わる失われ た技術として、物好きな研究者も埃を被らせる程度の代物でした。  ですが、冒険者たちにより賢者オワナスの手記やクラニアム家の法典、魔女ミザリィの樹 本などが見つかるとその様相も変化していきます。既存の魔法系統を否定しかねない、剣の 神々の智慧に依らない隠秘術の研究は、過去においても幾つかの神殿、ひいては宗教国で焚 書や処刑を起こすほどのものとなりました。  再現がほぼ不可能なこともあり、今では胡乱な与太話として扱われる程度のものにはなり ましたが、それでも数少ない研究者によって少しずつその全貌が解き明かされています。  特に研究者が多い地方として挙げられるのはハインラト地方であり、陸の孤島となってい るかの地方では、天まで届くほどの塔のいずこかに隠秘術の研究成果が収められていると噂 されています。 -------------------------------------------------------------------------------- 《習得するには》  アルカニスト技能は、現代においては習得することはできません。  また、研究する事はほとんどの魔術師ギルドにおいては無価値なものとして扱われる事で しょう。資料の大半はかつての魔法王の墓所から得られた貴重なものであり、その写本です ら市井に出回る事は殆どありません。ミラボアやカイン=ガラなどの魔法都市では、それら の蔵書が存在するとされていますが、真偽を確かめる術はありません。  ただし、一部の物好き(物狂いとも呼ばれます)達はその写本をどうやってか入手し、独 自の研究をしている事もあります。出資者もおらず、満足な研究設備を持たない彼らは魔法 文明時代の遺跡などを主な棲家とし、かつての設備を流用するものが多く見られます。  彼らに弟子入りをするか、あるいは同じように研究資料となるものを手に入れる事ができ れば、アルカニスト技能を得るための第一歩となるかもしれません。 -------------------------------------------------------------------------------- 《社会での存在》  デュランディルの時代においても隠秘術を知るものはごくわずかにしか居らず、その存在 は多くが魔法王たちのみによって細々と伝えられて来ました。横のつながりを持たない彼ら が互いの国を滅ぼした時、幸運にも研究をしていた者が拾い上げた資料に書き足され、現在 で発見される事もあります。  ですが、その価値を判断できるものは現代においては殆どいないでしょう。もしそれらの 資料は遺跡で見つかっても、ヴォイニク手稿やロア=ガエス書のように落書きとして扱われ る事でしょう(もっとも、上記の2つは後にミラボア大図書館の蔵書に加えられました)。  そのため、市井において隠秘術について語っても理解される事は全くありません。よほど の知識を備えた魔法使いであればともかく、それ以外からは偏執狂か、あるいは狂人として 扱われる事でしょう。  また、その語る相手がもし隠秘術の研究者である場合も、注意が必要です。彼らは殆どが 他人に理解されない研究を続けているためか異常に強い執着心を示しており、知識の独占や 研究結果の統合を考えようとします。かつての魔法王達のようにそれぞれの資料を奪い合う 行動傾向から、極一部の識者からは隠秘術そのものに認識汚染のようなものが存在するので はないか、と警鐘を鳴らすものも居ます。 --------------------------------------------------------------------------------- 《特徴と役割――主な技能として》 『隠秘術の特性として顕著であるものが、各種技術の多様性である。我々が未だ知り得るも のはマナを利用するという魔法の体裁を取ってはいるものの、真にも操にも、あるいは神 にも属せぬ技術さえも我が物とすると言う。全く以って認めがたい知識である。  しかしこれは、隠秘術を身に着ける事の万能性にも繋がっている。我々は深智へと通ずる 魔法を修めたが、それでもなお全能を操るには程遠い。戦士の心得を持ち剣と杖を同時に操 ろうとも、我らは盗賊には、死神には、星々にはなれぬ。  だが、隠秘術はそれを可能とするのだ。二十二に腑分けされた技術の数々が、我らの与り 知らぬものに精通している。あるいはそれは、何処かの英雄や魔人の用いた権能の再現にも 等しい。  もしもその全てを扱う事が出来れば、その者はすでに人としての枠を越えていると言って 良いだろう。それは、死を捨てた我々すら及ばぬ場所にあり、また我々が到達できるやもし れぬ超越者への道である。  隠秘術とは他の魔法を駆逐せず、しかしそれだけで完結しうる。だがその術は全てが極端 と言える独自性を持ち、我々が知る魔法のように広く流布する事はないだろう。』                     ――カナン墓廟より見つかった手記より --------------------------------------------------------------------------------- 《特徴と役割――兼業として》 『研究のさなか、私はある疑問を抱いた。即ち、隠秘術と既存の系統術の相性である。隠秘 術の多くは私達が知る魔法と似て非なる効果を発揮するが、それらは他の技能と組み合わせ る事ができるのだろうか。  結論としては、並立する事自体は可能であると言う結果に至った。隠秘術はその多くが技 術の再現と言って良いものであり、魔法のみならず戦士の技などの再現も存在するからだ。  だがこれは、決して相性が良いと言うことを意味しない。癖の強い隠秘術は、その特性ゆ えに戦士系技能、魔法使い系技能とも噛み合わせる事が難しいのだ。僅かなりとも明らかに なったものでも、動けぬ鎧では庇うこともできず、魂狩りの鎌は僅かな動きも捉える事がで きないだろう。  とは言え、練体師などの自らを賦活させる技能であれば話は変わるかもしれない。攻撃の 技術が多く存在するらしき隠秘術では、自らの身体や知力こそが重要になりうる可能性があ るからだ。  最も、この推論も全てが正しいというわけではないだろう。22のアルカナのうち、私が 知ることができたのは僅か2つだけなのだから。』                  ――隠秘学研究者キュプロ・ミノアの遺した資料より ---------------------------------------------------------------------------------- 《コラム:眠りの神の夢》  隠秘術の伝承と切り離せないものが、大神カオルルウプテの存在です。彼女が微睡みに揺 蕩うさなか、深くトランス状態にある信者は神託としてその夢の一部を受信することがある とされています。  その神託の一部において、カオルルウプテが隠秘術のことを語ったと伝えられています。  場面はかつての戦争の最中であり、激化する戦いに疲弊したカオルルウプテが見た、この 世ならざる力を用いる存在と、その対話についてが主に伝えられます。  この邂逅の後にカオルルウプテは"剣を投げ入れた者"という論を主張し始めますが、夢が 関係しているのか、そもそもこの神託が真実であるか否かという事も含め信者の中でも懐疑 的な意見が支配的です。  この神託を受ける者は今や殆ど確認されていませんが、旧くからカオルルウプテを信ずる 種族などでは、隠秘術は"牢獄の外"にあるものが流入したものではないかと言う者もおり、 その資料を集める事を目的とした集団も存在するようです。 ---------------------------------------------------------------------------------- ◆隠秘術習得時の注意点◆  隠秘術には明確なレベルによって習得できるものがありません。アルカニスト技能のレベ ルが1上がるごとに、習得可能な隠秘術を1つ修得する事ができます。  レベルによって習得できる隠秘術が増え、それはアルカナの区分で管理されています。 ・レベル1〜5:アルカナ『魔術師』『女教皇』『法王』『恋人』『戦車』の6種類 ・レベル5〜10:アルカナ『女帝』『皇帝』『力』『刑死者』『節制』『塔』の7種類 ・レベル11〜13:アルカナ『隠者』『運命』『正義』『死神』『悪魔』『太陽』『月』『星』の8種類 ・レベル14〜15:アルカナ『審判』『愚者』の2種類 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:魔術師> 【ロックレイン】 消費MP:21  対象:半径3m/6 射程/形状:10m/射撃 時間:一瞬 抵抗:半減 属性:土+精神効果 概要:威力30の破岩の散弾によってダメージを与えつつ対象を気絶させる 《効果》  大気中のチリを凝集させた大岩を砕き、その巨大な破片を降り注がせて「威力30+魔力」点の土属性魔法ダメージを与えます。  この時、精神抵抗判定に失敗した対象は気絶状態となり、同時に転倒します。『○精神効果無効』などによって気絶を免れた場合、 転倒の効果だけを受けます。  この気絶状態は精神効果属性として扱います。  複数の部位を持つ対象に行使した場合、コア部位がある対象であればコア部位が抵抗失敗した場合のみ効果を受けます。  コア部位が存在しない対象の場合、気絶の効果は一切現れません。 【マナハウリング】 消費MP:25  対象:半径10m/10 射程/形状:術者/− 時間:一瞬/30秒(3ラウンド) 抵抗:なし 属性:− 概要:周囲の対象を癒やし、力を増幅させる 《効果》  万物に備わる魔力と術者の魔力を共鳴し、増幅させます。共鳴は対象の傷を治癒し、次の行動のための大きな力を与えます。  魔法を発動させる事が出来れば、対象のHPを【行使判定の達成値】点だけ回復させ、行動判定に+2のボーナス修正を与えます。  この魔法は行使判定の達成値が【25+対象数】以上でなければ発動しません。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:女教皇> 【ウィズダム・グリマー】 消費MP:15  対象:半径20mの空間 射程/形状:術者/− 時間:一瞬 抵抗:なし 属性:− 概要:心を落ち着かせる光が傷と精神を治癒する 《効果》  慈愛の心からもたらされる英知の光で周囲を照らし、対象のHPとMPを【魔力−10】点だけ回復させ、精神効果属性によって受 けている効果(魔法、呪歌、アイテム、特殊能力など)を選んで解除することが出来ます。  この魔法は、範囲内にあって、術者が選ぶ任意のキャラクターすべてに効果を発揮します。ただし、術者本人、もしくはこの魔法を 習得しているキャラクターを対象に選ぶ事はできません。 【ブレイブリー・スクリプチュア】 消費MP:11  対象:1体 射程/形状:10m/起点指定 時間:30秒(3ラウンド) 抵抗:なし 属性:精神効果 概要:勇ましき聖句によって祝福する 《効果》  術者の強靭な精神、勇猛な気質を以って、勇ましき聖句を紡ぐ聖句法です。これによって、対象は命中力判定に+2のボーナス修正 を受けます。さらに、それが近接攻撃、射撃攻撃で発生させるすべての物理ダメージ、魔法ダメージに4点のボーナス修正を受けた上 で、手番の終了時にMPが【6】点回復するようになります。  この魔法は人族、蛮族以外には効果を発揮しません。また、術者本人、もしくはこの魔法を習得しているキャラクターはMPの回復 効果を受ける事はできません。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:女帝> 【クイーンズランス】 消費MP:18  対象:1体 射程/形状:接触/− 時間:一瞬 抵抗:必中 属性:氷 概要:具現化した氷の槍が確実に対象を貫く 《効果》  術者の冷静・冷徹な精神を、超低温の霧槍として具現化して貫き、【威力30+魔力】点の氷属性物理ダメージを与えます。  この時、術者の冒険者レベル(魔物レベル)が7以上である場合、そのダメージに【術者の冒険者レベル(魔物レベル)×5】点を 追加します。  さらにレベルが13以上である場合、この魔法によるダメージは防護点を無視するものとして扱います。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:皇帝> 【キングスソード】 消費MP:17  対象:自身の存在する乱戦エリア内の任意の対象すべて 射程/形状:術者/− 時間:一瞬 抵抗:特殊 属性:炎 概要:具現化した炎の剣が敵陣をなぎ払う 《効果》  勇猛果敢な精神を力に変え、剣の形をした巨大な爆炎を具現化します。この魔法の行使判定に対し、対象は回避判定を行います。  回避判定に成功すればダメージを受けませんが、失敗した場合、対象に【威力50+魔力】点の炎属性物理ダメージを与えます。  この時、術者の冒険者レベル(魔物レベル)が7以上である場合、そのダメージに【術者の冒険者レベル(魔物レベル)×3】点を 追加します。  さらにレベルが13以上である場合、この魔法によるダメージは純エネルギー&炎属性であるものとして扱います。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:法王> 【スピリット・オブ・マザーウィル】 消費MP:30  対象:半径6m/20 射程/形状:50m/射撃 時間:一瞬/10秒(1ラウンド) 抵抗:半減 属性:衝撃 概要:信仰の力を弾丸とし、弾幕を形成する 《効果》  『フォース』のような衝撃弾となった異界の母神の祝福を召喚し、敵陣に降り注がせます。  弾幕は範囲内の対象に【(威力10+魔力)/対象数】点の衝撃属性魔法ダメージを与えます。  また、抵抗に失敗した対象は次の手番において、あらゆる動作を行う事ができなくなります。  この魔法は、戦闘特技《魔法収束》《魔法誘導》《魔法制御》《魔法拡大/範囲》を所持しない場合、1つにつき行使判定に−2の ペナルティ修正を受けます。 【カオス・カーズ】 消費MP:14  対象:1体○ 射程/形状:30m/起点指定 時間:3分(18ラウンド) 抵抗:短縮 属性:精神効果+呪い 概要:精神を削ぎ落とし、混乱させる呪詛 《効果》  術者の強靭な精神を以って呪句を紡ぎます。この呪詛に曝された対象は混乱し、精神を多大に疲弊させます。  対象は効果時間の間、精神抵抗力判定に−2のペナルティ修正を受け、自身の損得や有利不利は一切関係なく、他のキャラクターを 援助・援護・回復するような行為を行えなくなります。  この効果は、分類が植物、アンデッド、魔法生物である対象にはいっさいの効果を発揮しません。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:恋愛> 【チャーミング・ウェイブ】 消費MP:12  対象:1体○ 射程/形状:10m/起点指定 時間:30秒(3ラウンド) 抵抗:消滅 属性:精神効果(弱) 概要:対象を魅了し、無抵抗にする 《効果》  精神を冒し、短時間ながら完全に対象を魅了します。対象は、術者に限らず周囲に全く警戒心を抱かなくなります。  この状態のとき、対象はあらゆる受動的な動作を行えません。回避判定や抵抗力判定を要求された時、それらは全て自動失敗である ものとして扱われます。この効果は防御ファンブルを誘発します。  たとえ、直前まで敵対していたとしても、効果時間の間ならば対象は術者を絶対的な命令者として認識し、自身を害するような命令 や言葉に対しても従います(むろん、精神効果属性(弱)が解除される条件を満たした場合、この魔法の効果は即座に消滅します)。 【クラッシュハート】 消費MP:44  対象:1体 射程/形状:30m/起点指定 時間:一瞬 抵抗:消滅 属性:− 概要:対象の心臓を破裂させる 《効果》  直接心臓に触れないまま、心臓を粉々に破壊する魔法です。対象は即座に死亡します。  この魔法は行使判定を行っても、その達成値はすべて[0]であるものとして扱います。  対象が抵抗力判定に自動失敗しない限り、この魔法は効果を発揮しません。  またこの効果は、分類が植物、アンデッド、魔法生物など、「心臓を持たない対象」に対しては一切の効果を発揮しません。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:戦車> 【アーマード・コア】 消費MP:21  対象:術者 射程/形状:術者/− 時間:1時間 抵抗:なし 属性:− 概要:強力な防御力を持つ鎧を召喚し自身を守る 《効果》  いかなる攻撃をも弾く魔法の鎧を召喚します。術者は効果時間の間防護点が+【魔力】され、10回まで、物理、魔法、属性を問わ ず、あらゆる受けるダメージを二分の一にします。  代わりに、この魔法が効果を発揮している間、術者は回避判定の達成値が自動的に「0」となり、移動力の最大値が「5」として扱 われます。  この鎧は防具としては扱われず、効果時間が過ぎるか、術者が10回のダメージを受けた終わった時点で自動的に解除されます。 【☆クイックブースト】 消費MP:20  対象:術者 射程/形状:術者/− 時間:10秒(1ラウンド) 抵抗:なし 属性:− 概要:マナを凝縮し、一気に噴出させ高速の推進力を得る 《効果》  自身の体内のマナを後背や足からジェットのように吹き出して、瞬間移動めいた速度を一瞬だけ得ます。  術者は効果時間の間、行動判定に+4のボーナス修正を得、敏捷度の能力値に「知力+精神力」を加算する事ができるようになりま す。この効果は、移動力や敏捷度を用いた判定の上昇を伴います。  固定値のキャラクターの場合、移動力を2倍、回避判定の達成値に+[最大MP/10]するものとして扱ってください。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:力> 【フレイム・ヴォーテックス】 消費MP:32  対象:半径3m/すべて 射程/形状:30m/起点指定 時間:一瞬/30秒(3ラウンド) 抵抗:半減 属性:炎&風 概要:炎の渦に対象を巻き込み、ダメージを与えつつ動きを封じる 《効果》  厚い炎壁と突風によって構成された猛火を渦巻かせ、対象に【威力40+魔力】点の炎&風属性の魔法ダメージを与えます。  また、同時に対象は渦に巻き込まれ、行動判定に−2のペナルティ修正を受け、その場から移動できなくなります。さらに、自身の 手番の終了時に【威力0+魔力】点の魔法ダメージを負わねばなりません。ただし、この威力決定ではクリティカルは起こりません。  精神抵抗力判定は、この魔法の行使時に1回行われるだけで、ダメージ決定時には行えません。  抵抗に成功した場合、最初のダメージは半減で受けますが、その他の効果は受けません。  属性に対する防護や耐性、弱点を考慮する場合、効果を受けるキャラクターごと、そのキャラクターにとってより不利になるように 「炎属性」「風属性」のどちらかを選んで裁定します。 【トライアンフ・フェーン】 消費MP:26  対象:半径6m/20 射程/形状:30m/起点指定 時間:一瞬/1分(6ラウンド) 抵抗:半減 属性:純エネルギー&風 概要:超高温の熱風が防具すら溶解させダメージを与える 《効果》  炎を伴わない恒温の熱風を吹き荒らし、【威力70+魔力】点の純エネルギー+風属性の魔法ダメージを与えます。  この魔法によって【1】点以上のダメージを受けた場合、対象の防護点は1分の間【1d6+1】点減少します。この効果は累積し ます。PCがこれを受けた場合には、装備している防具すべての防護点が減少します。防護点が0となった装備は即座に破壊されます。  抵抗に成功した場合、ダメージは半減で受けますが、その他の効果は受けません。  属性に対する防護や耐性、弱点を考慮する場合、効果を受けるキャラクターごと、そのキャラクターにとってより不利になるように 「炎属性」「風属性」のどちらかを選んで裁定します。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:隠者> 【☆レジデント・ダークネス】 消費MP:20  対象:術者 射程/形状:術者/− 時間:10秒(1ラウンド) 抵抗:なし 属性:なし 概要:完全に気配を絶ち、誰からも見つからなくする 《効果》  闇に溶ける様に姿を消し、また気配も断ち切る事で誰からも認識されることがなくなります。  同時に戦況を冷静に判断し、術者のHPを【魔力】点だけ回復させます。  術者は「五感」「機械」「魔法」のいかなる知覚に対しても透明となり、また、音や臭いでもいっさい感知されなくなります。  直接に触れても、術者の存在は知覚されません。【マナサーチ】など、マナや魔力を探知する魔法やアイテムにも感知されません。  術者が【ライフサーチ】や、何らかのダメージを受けた場合のみ、即座にこの魔法の効果は消滅します。 【ディフォリーション】 消費MP:18  対象:半径30m/5 射程/形状:術者/− 時間:一瞬 抵抗:必中 属性:なし 概要:舞い落ちる葉のような暗殺の一撃を再現する 《効果》  非常に高度な技術を要する独特の投法による短剣投射の再現によって、対象に【威力40+魔力】点の防護点を無視した物理ダメ ージを与えます。  再現された暗殺の一撃は発動した瞬間に発動するため、これに対して一切の回避・抵抗を行う事はできません。  このダメージによってHPが0以下となった場合、対象は生死判定に−10のペナルティ修正を負います。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:運命> 【パンタ・レイ】 消費MP:40  対象:1体+半径3m/10 射程/形状:20m/起点指定 時間:20秒(2ラウンド) 抵抗:短縮 属性:風 概要:巨大な竜巻を纏わりつかせ、周辺にまで被害を与える 《効果》  強力な烈風を制御し、全てを吹き飛ばす巨大な竜巻を1体の対象を中心として発生させます。  対象は【威力60+魔力】点の風属性魔法ダメージを受けた上で、1体の対象を中心とした「半径3m」内のキャラクターは一切 の移動ができなくなり、かつすべての行動判定に−2のペナルティ修正を受けます。さらに、対象の手番の終了時に、【威力30+ 魔力】点の風属性魔法ダメージを負わねばなりません。ただし、この威力決定ではクリティカルは起こりません。  精神抵抗力判定は、この魔法の行使時に「竜巻の中心となる」対象に対して1回行われるだけで、ダメージ決定時には行えません。 【ゾオエ・ユルウティ】 消費MP:40  対象:半径30m/すべて 射程/形状:術者/− 時間:一瞬 抵抗:消滅 属性:なし 概要:この世の全ての生命を反転させる 《効果》  生者を死者へ、死者を生者へと転じさせます。範囲内にある術者を除く全ての対象は、即座にHPが【最大HP−現在HP】に変 化します。術者はこの魔法を行使する際、行使判定に+『効果を受ける対象の数』だけのボーナス修正を受けます。  この魔法は、分類が「魔法生物」「アンデッド」である対象には効果を発揮しません。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:正義> 【ジャスティス・ソード】 消費MP:25  対象:単体 射程/形状:30m/射撃 時間:1分(6ラウンド) 抵抗:特殊 属性:なし 概要:飛来し自動的に攻撃を行う剣を召喚する 《効果》  行使してから1分の間、術者の手番の終了時に【威力90+魔力】点の物理ダメージを与える魔剣を召喚します。この魔剣による 攻撃は魔法の武器によるものとして扱われ、あらゆるクリティカル値の上昇・無効化の影響を受けません。  また、この魔剣による攻撃が分類「魔法生物」「アンデッド」の対象に対して行われた場合、最終的な与えるダメージが1.5倍 になります。  この魔剣による攻撃は、手番の終了時ごとに無作為に選ばれた「敵対している対象」に行われます。対象は行使判定を目標値とし て「回避判定」を行い、失敗した場合のみダメージを受けます。 【アンサラー】 消費MP:48  対象:半径6m/20 射程/形状:30m/起点指定 時間:一瞬/3分(18ラウンド) 抵抗:半減 属性:なし 概要:光の矢を降り注がせてダメージを与え、魔法の効果と抵抗力を消し去る 《効果》  召喚した天への門から退魔の光を降り注がせ、対象に【威力20+魔力】点の軽減できない魔法ダメージを与えます。  この魔法を受けた対象は、自身に対し効果を発揮している魔法による効果が全て消滅します。この効果は、それぞれと達成値の比 べ合いが必要です。  また、抵抗に失敗した対象は、さらに3分の間精神抵抗力判定に対し、−4のペナルティ修正を受けます。この効果は累積しませ ん。  術者が《魔法制御》を持っていない場合、術者はこの魔法の行使判定に対し−4のペナルティ修正を負います。 ---------------------------------------------------------------------------------- <アルカナ:刑死者> 【シヴィアコールド】 消費MP:10  対象:半径50m/すべて 射程/形状:術者/− 時間:一瞬 抵抗:半減 属性:水・氷 概要:魔力、あるいは生命力を冷気の波動として放出してダメージを与え、混乱させる 《効果》  この魔法は行使する際、1〜50点までの任意の点数で、HPを消費します。この時、消費したHPの1/10だけ、この魔法の 行使判定の達成値にボーナス修正を受ける事ができます。  獣のうちに眠る莫大な生命力を増幅し、周囲へ冷気の波動を放ち【威力(消費したHP×2)+魔力】点の水・氷属性魔法ダメー ジを与え、混乱状態に陥らせます。混乱した対象は「絡み表」を振り、その部位に絡みを受けたものとして行動しなければなりませ ん(該当する部位がない場合は振り直しになります)。  抵抗に成功した場合、ダメージを半減で受けますが、転倒の効果は受けません。また、複数の部位を持つ魔物の場合、コア部位が 抵抗に成功すれば混乱状態にはなりません。  混乱状態は精神効果属性として扱います。 【ハンギング・チェイン】 消費MP:31  対象;単体 射程/形状:10m/起点指定 時間:3分(18ラウンド) 抵抗:短縮 属性:なし 概要:巨人をも縛り上げる冥府の鎖を召喚する 《効果》  召喚した鎖で対象を縛り上げ、あらゆる行動を不能にします。対象は「移動力」が0となり、後述する脱出の試み以外の動作を行 えなくなります。さらに、「頭部」「両腕」「両足」「胴体」「翼や尻尾」「首」のすべてが絡み状態であるものとして扱われます。  対象は、自分の手番に主導さでこの魔法からの脱出を試みる事ができます。対象はその生命抵抗力、精神抵抗力、「冒険者レベル (魔物レベル)+筋力ボーナス(打撃点)」のいずれか(任意)を用い、術者は隠秘術の魔力を用いて、互いに行為判定を行い、達 成値を比べ合います。対象がより高い達成値を得たならば、その段階で魔法は消滅し、魔法による絡みも解除されます。  また、この魔法は物理的に破壊する事が可能です。この魔法を受けてから合計で「6回(抵抗した場合は1回)」、【1】点以上 の物理ダメージを受けた場合、その時点で鎖は砕かれ、魔法と絡みが解除されます。