上記の通り7歳から13歳半まで精神成長が止まっており精神年齢は約8歳。
それから半年ほど保護してくれた神殿で教育を施されたが、結局勉強が嫌で飛び出してきた。
飛び出してから1年間？思い出させないでくれる？
仮面は顔のデモンズシードを植えつけられた痕を隠すためにつけている。

誘拐された時に生き別れした家族に会うべく、バイトして資金を貯めている。
この資金はそれ以外に使う気は一切ない。ちなみに手がかりは一切無い。

彼の故郷はレーゼルドーン大陸より北西にある熱帯雨林に住む遊牧民族。
彼らの葬儀では遺体の背中に大きなティダンの聖印を描き、仰向けにした状態にし、葬儀参加者全員笑顔で別れの挨拶をしながら武器で遺体を攻撃し損壊させる。そしてその後、最も近く高い場所で風葬を行う。※風葬が難しい環境では火葬した後粉にして飛ばしたり、地面に埋めたりすることもある。
葬儀は昼に行われ、葬儀よりも先に泣いた者は葬儀への参加権を奪われる。そして夜に全員で泣く。
子供も等しく参加し、泣くことを我慢することを覚えて成長したソレイユは立派な戦士となるのだ。

この葬儀は背中を一切傷つけずにボロボロにさせることで「戦士として皆を守って死んだ」という意味を持たせ、同時に肉体を大きく壊すことで未練なくティダンとシーンの元へ逝けるようにするもので、派手に壊せば壊すほど早く辿り着くとされる。「物」に意味を持たせるこの行為は、文字を持たないソレイユの行為としては地元で興味深いとされると同時に、笑顔で遺体をを攻撃する狂気に満ちた場面にしか見えないため悪魔扱いされる。
また、遺体を損壊させる行為はアンデッド化を防ぐための処置だったものが葬儀に推移したもの。
ソーがたまに口走る「サイコロ」という単語は「(アンデッドにならないように)粉砕して殺せ」を中途半端に覚えた結果である。

なんで彼の故郷における葬儀の話をしたかって？HAHAHA。
彼の前で死なないように頑張り給え。なに？こいつが一番死にそうとな？HAHAHA

冒険者の合間にこつこつバイトで貯めていた資金が溜まった。
故郷ってどっちかな？とりあえず北に行こ、何とかなるよ！
故郷に戻ればパパとママに会えるよね…。

たくさんたくさん歩いた。
食料が尽きて、時には動物を捕まえ、時には蛮族から奪い取って、食いつなぎながら歩いた。
蛮族が沢山いて、ろくに眠る時間が取れなくて、病気になっても疲れ果てても歩き続けた。
ようやくたどり着いた故郷。誰もいない。
荒れ果てた家屋に家畜のいなくなった放牧地。誰もいない。
部族が数年かけて回る周回ルートを探した。誰もいない。
一周しても逆週しても、誰もいない。
パパもママも、族長もおじさんおばさんお兄ちゃんお姉ちゃんも、僕より小さい子も誰もいない。
蛮族に見つかるから、泣くこともできない。
悲しみの中、一人でひっそりと成人の儀式を行い、朧な記憶にのみ存在する3回分の刺青を入れた。
そうして、たった一人のメニの部族になった。

家族も故郷も失っていた事実を知り、一人になって、ふと頭に浮かぶ。
「一緒に冒険がしたい」と言った存在を。
その言葉だけを希望に、来た時より少ない荷物で、髪引かれながら引き返した。
果てしなく長く、碌に覚えていないその道を、蛮族だらけのレーゼルドーン大陸を。
長い一人旅は、その希望はぽっかり空いた幼心を埋め尽くし、道中の険しさは希望を昇華させる。
成人の儀式を終えた彼は、その存在を強く望む。