命知らずの猛者求む!!
血沸き肉躍る戦いをあなたに!

            〜闘士募集のチラシより抜粋〜


新設された施設、"モンスターズ・コロシアム"についての紹介です。
設備や運営、そして出場などについて説明しています。




血沸き肉躍る娯楽の頂点

 闘技場――知識の都たるミラボアにおいて、その似つかわしくない暴力的な名前は、特に目を引く事だろう。
 だが、百聞は一見に如かず。その格言の体現として作られたこの施設は、魔法都市に新たな娯楽として君臨した。
 凶暴なモンスターや蛮族を相手に立ち回る勇敢な闘士の攻防。また、人族同士の戦いが生じさせるドラマ、果てにはギルドの魔術師が作り上げた魔法生物の実験。これこそ、守りの剣がない自治区まで出向き、観戦しに訪れる所以である。
 腕自慢の冒険者や傭兵、闘技場に登録した専門の闘士。あるいは国外から腕試し、侵略しに来る蛮族が日々競い合った腕前を披露し、観客はそれに熱狂する。
 コロシアムとはそう言った実戦の場であり、かつエンターテイメントの場なのだ。

充実のアリーナ設備
 その外装は、かつての戦争で前線基地となっていた砦が再利用されており、その再建には今上の魔法王も一枚噛んだと言う。
 3階建て、五角柱を模した形となったその中庭をアリーナとしており、内部には医務室や休憩室、闘士の宿舎などもある。
 魔法や魔動機の連動によって大きさを変える観客席は収容数を最大1万を数え、地下には様々な仕掛けが施されている。
 せり上がる舞台で選手を登場させる演出や、各種トラップ、衝立、ギミックなどで簡易ダンジョンをも再現する。
 さらに、幻影魔法や装置による擬似戦争、ギアス制御による巨大魔獣との戦闘すら可能としている、との事である。


コロシアムの運営、興行
 コロシアムで興行される試合は、出場する選手を集めたりモンスターを手配したりする興行団体によって手配される。
 現在は国営、及び商工会運営の2種があり、国外からの蛮族は前者、国内における試合興行は後者がメインで行なっている。
 個人での興行はコロシアムの使用料が高額であるため殆どおらず、現在主流になっているのは上記2つの組織である。
 国営興行はストイックな真剣勝負を売りにしており、商工興行は明るくバラエティに富んだ試合を看板にしている等、互いに食い合わない様に個別化をしながら競い合っている。
 もし新たに興行師として始めようとするならば、自分ならではのウリを作っておくべきだろう。

 なお、行われる試合には基本的に賭けが付いて回り、興行主側を胴元とし、運営資金などに回される事になる。
 これにより試合を興行する側が同時に胴元であると言うのは八百長の疑惑がついて回ってしまっているのもまた事実である。
 しかしコレを、『全日の再来だ!』『やっぱプロレスはこうじゃないとな!』と歓迎するものも居た。


試合への出場
 コロシアムへと出場する選手は、冒険者や傭兵といった腕自慢を始めとし、上記のように国外からやってくる者達もいる。
 また、コロシアムの試合には賞金が掛かっており、その賞金を獲得することで生計を立てる者達もいる。
 このように試合での戦いを専業とするものは闘士と呼ばれ、優秀な成績を修めるものは、その界隈での大きな名誉とされる。
 闘士の多くは本国より登録しており、蛮族との境界を競る戦いにも負けぬ屈強な者達が名を連ねている。
 彼らのようなスターソルジャーとの戦いには多くの観戦客が訪れ、その動向は常に注目されている。
 特に優れた偉業を成し遂げた選手は、その栄誉を讃えられ、ミラボア王城の殿堂へと表彰されるとの触れ込みである。

  • 出場の手続き

  •  コロシアムへの出様手続きは比較的簡単である。
     コロシアムに赴き、窓口で幾つかの質問と出場に必要な掛け金の支払いを済ませればその日のうちに試合する事もできる。
     この掛け金は、コロシアムの維持費や管理費に使われている。払わない場合、試合で用意される賞金・賞品は授与されない。
     身柄確認や保障などは、最終的にエーテル自治区が責任を持つ事になっている。

  • 飛び入り

  •  モンスターズコロシアムでは頻繁に試合が行われており、観戦していた闘士や冒険者が飛び入りする事も多い。
     運営側はこれを歓迎しており、飛び入り参加が元で人気選手となった者もいる。
     活躍すれば一攫千金も夢ではないコロシアムにおいて、戦闘を得意とするならばあるいみ冒険出来る場所といえるだろう。
     中には、戦うモンスターを用意し、飛び入りを募る試合もある。

  • 訓練場

  •  コロシアムでの栄誉と一攫千金を求め、出場を夢見る者は多い。
     それもあり、引退した闘士などは教官として国からスカウトされ、戦い方を教える事で生計を立てている。
     自治区も例に洩れず、本国に入れない蛮族などによる闘技訓練場がいくつか存在する。
     興行団体は花形選手を育成しようと、訓練施設の拡充を行なっており、新たな選手の育成には余念が無い。


    コロシアムを取り巻く人々
     コロシアムは大勢の観客を集め、大きな金額が動く富を生む。
     それに伴って、コロシアムの周囲では、様々な商売が行われている。

  • 飲食産業

  •  試合が終わったら、一杯引っ掛けて同好の士と語り合う。これもまた、娯楽の醍醐味だろう。
     その需要を見込んでか、コロシアムの周囲ではそういう店は多く立ち並んでいる。
     普段は味わえないだろう、蛮族風の店でのひとときも人気であり、観光スポットとして一役買っている。
     また、トーナメントのような人気のある試合の時には、周囲には屋台が並び、観客席では軽食などが売り歩かれる。
     ポトフや麺類などと言った軽いものから、カレーや蒸留酒など様々なラインナップが取り揃えられているようだ。

  • 武器・防具職能組合

  •  ミラボアの鍛冶ギルドは、コロシアムに出場する選手たちとも深い関係を持っている。
     試合で効果を上げた武器は、その店の評価にもつながり、宣伝効果も大きくなる。
     特に、有名選手のものや、実績を上げた武具などは高い人気を誇り、工房との契約は重要なものになっている。
     実際に選手が使用した武器防具にサインを入れてもらい、店内に展示してあるような店もあるほどだ。

  • 各種神殿・医療施設

  •  コロシアムの内外に関わらず、負傷した選手を治療するのは各神殿のプリーストや、専門のドクター達である。
     常に待機している彼らは負傷者への速やかな治療を行い、わずかながらの医療費を寄進として徴収する。
     これらの費用もまた、神殿の運営に回されている。
     各神殿で様々な個別サービスを行うなど、興行組合のような競り合いもされているとか、しないとか。

  • パトロン・スポンサー

  •  出場する有名選手の後援者となる事は、自慢の種であり、一種のステータスにもなる価値を秘めている。
     こうしたパトロンの多くは、リーゼンの好事家な貴族や商人たちとなる。
     また、軍を招集できる程の地方領主が、自軍の兵を出場させて強さを喧伝すると言う場合もある。
     モンスターズコロシアムの試合は、興行によっては大勢の観客を注目させるため、宣伝効果も大きい。
     選手との契約を結べば、店や商品の宣伝となる事だってあるのだ。


    アリーナでの戦い
     闘技場での戦いも戦闘である事には変わりがない。1人ないし複数の闘士が、単独ないし複数名の敵に立ち向かう訳である。
     敵味方双方が入り乱れ、戦術の妙や派手な技術を披露しあい、敵を打ち負かそうとするのだ。
     ただし、重要な相違点も存在する。闘技場での戦闘は、管理された戦いである。解錠の教会の外まで戦いが拡大する事は、通常ありえない。もし起きた場合は、その生命、あるいはそれに等価なものをもって罰せられる。
     しかし、戦闘を見守る観客の乱入は止められては居ないし、対戦相手は実に多種多様で、名声や黄金、ペテンの品といった報酬が用意されている事もあり、闘士たちの戦いは単なる善悪の対決に留まらない勝負になる。
     言わば、アリーナの上で行われる、流血と誇りの競い合いなのだ。

  • 個人戦(シングルス・マッチ)

  •  個人戦は一対一の戦いである。
     闘鶏場なみのちっぽけなリングから、大型の闘技場まで大小様々な環境で開催され、仕掛けられた危険物や罠が敵味方問わず、闘士の身を等しく危険に晒す。
     会場が広ければ広いほど、見物客の熱狂を誘うことが重要になってくる。その為、大型イベントでの個人戦は、有名なスター闘士、背すじも凍る凶悪な魔物、唖然とさせるギミックと言ったものが最低でもひとつは用意されるのが常である。

  • 混合戦(ダブルス・マッチ)

  •  混合戦は敵味方、どちらも二人ずつで組んで行われる戦いである。
     団体戦とはまた違った形で、連携が重要となる試合形式であり、闘士の相性によって戦闘の彩りや難易度ががらりと変わる。
     戦士系が二人で出場する事もあれば、操霊術師がコンビを組んでゴーレム等を大量発生させたり、片方が斥候として先行し、罠を利用して敵コンビを陥れたりなど、様々な戦法が確立している。
     総合的な技術や力よりも、闘士の連携による勝因が多く、人気闘士を作りやすいルールである。

  • 団体戦(チーム・マッチ)

  •  団体戦では双方の闘士が互いに、あるいは巨大な魔物を相手に4〜6人にチームを組んで戦う事になる。
     これは、闘士たちが連携する戦術を取ることが出来る、冒険者に相応しい競技であり、闘技場に新風を吹かせる事にも繋がる。
     また、団体戦から派生する試合形式として、大勢の選手がそれぞれ互いに敵として戦い合う【バトルロイヤル】、戦闘以外の勝利条件を競う【フラッグレース】などもあり、最も多様な戦いを見せるルールだと言えるだろう。

  • 血を見るまで(デス・マッチ)

  •  死ぬまで競技が続くことも多いが、文明の進んだ土地においては相手が気絶した時点で終了とする場合も多い。
     個人戦は最初に重傷となった方が負けとなるし、団体戦は、どちらか全員の行動不能か、投了までが試合となる。
     だが、デス・マッチにおいては勝利条件は「相手の死」であり、投了以外ではどちらかが命を落とすまで終わる事はない。
     モンスターズコロシアムでは、囚人の恩赦を褒章として、デス・マッチに参加させる事がある。


    シナリオフックとしての闘技場
     闘技場をシナリオに用いる場合、冒険者を闘士として出場させる他、闘技場に絡めた依頼や事件を起こす事も可能です。
     例えば、出場の目玉になるべき魔物を捕らえて来い、出場闘士や興行団体の裏金疑惑を探れ、優勝褒章にされてしまった家宝を取り戻してくれ、など、この他にも色々あると思います。
     ただし、戦闘がメインになる場合、それだけで終わるのは味気がなく、模擬戦めいたシナリオになる事は避けたいところ。
     ギミックやオリジナルエネミーの能力で差別化し、実況や観客の言動も含めたり、貴方だけの闘技場を作ってみましょう!


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