【経歴】
・血縁者と死別したことがある。
・家族から捜されている。
・自慢できる二つ名を持っている。


幼いころ、父と兄と一緒に狩りに出かけ、
【赤毛の狼】に襲われ丸呑みにされた。
父と兄は殺され、他の狼に食べられてしまった


―しかし、まだ小さかった私は生きていた。―
狼の胃袋の中で理性を保っていることなど到底出来ず、
一心不乱に助けを祈り続けた。
「助けてっ誰か！助けてくださいっしにたく・・ない！！」
太陽神『ならば、抗え。諦めるな――
　　　　　　　諦めんなよ!
　　　　　　　　諦めんなよ、お前！！

　　　　　　　どうしてそこでやめるんだ、
　　　　　　　　そこで！！
　　　　　　　　　もう少し頑張ってみろよ！！

　　　　　　　本気になれば自分が変わる！
　　　　　　　　本気になれば全てが変わる！！』


（正直このとき何を言っているのか意味が分からなかったが、胸の奥に光を・・・確かに感じた。)

そして、がむしゃらに抗い、腰に身につけていた一本の小さなナイフを――。


　気がつけばそこは森のはずれにある川辺だった。
　全身が何かに濡れ、周囲は鉄の匂いに満ちていた。
　
　またしばらく気を失っていたのか、目を覚ますと目の前には赤い毛色の狼が横たわっていた。
　［生き物の命は無駄にしてはいけない。食べられない獲物でも、その身体の一部は糧にせよ］という我が家の掟にしたがい。
　毛皮を剥いで持っていくことにした。
　やり方は見ていたので覚えているが、初めて一人で行う作業は
子供だったこのころの私には大変な仕事だった。
　夜明け前に始めた剥ぎ取りは陽が沈む頃までかかり、ナイフも体力も精神も尽き果て、そのまま毛皮を纏って寝てしまった。
　朝になって、毛皮をかぶったまま村へ帰り（幸い村は川続きにあった)途中、帰りが遅く心配になった村人たちに保護されたが、
その時の姿は、まるで血にぬれた【赤毛の狼】そのものだった。

　村には初めての獲物で装身具を作るのが慣わしで、私はこの狼の毛皮を使ったマントを作ってもらった。
　あまり上手く剥ぎ取れなかったせいか、サイズは小さいものになってしまったが、あまり成長がみられない私にはちょうどいいようだ。フード付きロングコートはいいのだが、なぜかフードには耳の部分がついており、しかも作成技術か魔法がかかっているのか分からないが、この耳・・生きている狼の耳のように手触りと感触がいい！時折動いているのはキノセイだと思いたいが。

　成人し、嫁ぐ話もあったが自分より狩りが上手くない人とはごめんだと思い聖職者として(あの変な声は神の声だったらしい)働くことにした。そして仕事をしているうちに神官としての力に気づき。
　また森を駆け回りたい思いもあって、旅に出ることにした。
　仕事はまともに取り組んでいたため、急なわがままでも条件付で許してくれた。
　―せっかく旅に出るならば、冒険者と共に行き。神官としての力を磨いてくること―だそうです。

　冒険者の中には人族と友好な蛮族も少なくなく、もともと辺境の村で生まれたせいか、蛮族は敵！という説法には疑問が絶えなかった私には、気にならなかったのは神の導きかな？(矛盾はしてこそ強く慣れる！(持論)

　最近は兄の形見の煙管で、街の裏通りで買った甘い香りの葉っぱをふかすのが、お気に入り♪
　冒険者か〜あんまり怖くない人たちとがいいな〜。強すぎず弱すぎず・・・うんっまずは良く人を見ないとね！これでも神殿のお勤めで人を見る目は養ってきたんだからっ。